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2021-09-26
百花騒鳴
本物
「おがさわら」の寿司はうまい。初めて食べたのは、持ち帰り用に握ってもらった寿司だった。折りに美しく並ぶ様子に、食べる前からうまいだろうなと予感させた。確かにうまかった!味をしめた私は、数日後には家族を連れて来店していた。ただし、平民の当家がいつも利用するのは、どこにでもあるチェーン店。カウンターで座り、本物の寿司を待つなんて機会は滅多にやってこない。そこで素人一家は、お任せのコースを選んだ。テンションMAXで一巻ずつやってくる寿司を見ては唾をのみ、恭しく手を伸ばす。「美味しい~!」家族揃って、感動で泣きだしそうだ。すっきりとしながらもコクのある赤酢の酸味をまとった酢飯は、リズミカルに口の中で解けていく。ネタの旨みを上手に引き出してくれる。寿司のみならず、料理にも隙がない。はじめこそ緊張ぎみに味わっていたものの、親方の気さくな対応に気が緩む。いつしか、いつものチェーン店であるかのように、各々が追加注文をはじめた。よく食う。遠慮なく食う。「ほんとに美味しいね」とあまりにも満足そうに娘が微笑むから、それ以上頼むな!……とは言えない。彼女は、家では見たことのない食欲を発揮した後に膨れた腹で鼓を打ち、こう言った。「いや~、本物の寿司を初めて食べましたよ。これから、我が家の寿司屋と言ったら、おがさわらですな」親の懐、子知らずである。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございます。
気持ちが疲れてしまうような今、この一冊が皆さまの安らぎになりましたら幸いです。
次回は、木の葉が色づく11月にお会い致しましょう。
2021-07-23
時代を超えて輝き続ける アンティークガラスフェア
アンティーク デジャヴ
使って、飾って楽しめる、色とりどりのガラス器を3000点以上用意。
また、イギリスから家具や雑貨、ステンドグラス、照明器具など多くのアンティークアイテムが新たに到着。
店内全品が大幅値引きのスペシャル・サマーセールも同時開催する。
2021.7.11~8.1 ガラスフェア
2021-07-23
この季節にだけ楽しめる フレンチレストランのテイクアウト
旬輝
静かな住宅街に建つ邸宅スタイルのレストラン「旬輝」では、季節の食材を見事に操り、独創的なフレンチを供する。店内で味わうコースも人気だが、テイクアウトメニューにも注目が集まる。特に、月替わりで提供する「季節のロールケーキ」は、予約が殺到するほどの人気。7-8月は、夏の果物をふんだんに詰めたフルーツロール(1本2300円)。軽くふんわりとしたビスキュイ生地の中に、ヨーグルトを加えたほんのりと酸味のあるクリームと、夏イチゴ、ビワのコンポート、オレンジ、ブルーベリー、キウイフルーツなどが入っている。また、7月より通年メニューとして、とても贅沢な「メロンロール」が登場する。銀座千疋屋で扱われる「山下メロン園」の高品質な食べごろのメロンと、ホワイトチョコを合わせたコクのあるクリームを、アーモンドプードルを使った濃厚な生地で包む。ロールの中には、大きくカットされたメロンがたっぷり。まるでメロンジュースを味わっているかのようにジューシー。また、レストランの味を自宅で味わえる、料理のテイクアウトメニューも人気。コースで提供するメニューを詰めた「彩り弁当」は2700円。ふんだんな野菜に、旬魚のポワレや、肉料理、デザートまで付く。「ハンバーグ弁当」は、大ぶりの食べ応えのあるハンバーグに加え、魚料理や魚介のフリットなど手間を惜しまない料理を詰めた贅沢な内容で2160円。
店内で味わえる夏コースには、アユ、ハモと言った「和」を感じさせる素材、県内のこだわりの農園から届く夏野菜、エスカルゴなど、旬の様々な食材がフレンチに変化する。ランチは3300円から、ディナーは5500円から予約を受け付ける。
2021-07-23
日常を涼しげな風景に変える、ガラス作品展
もくぺれ×GALLERY kino
ペレットストーブ販売店「もくぺれ」の併設ギャラリーでは、オーナー自ら足を運びセレクトした期待高まる若手作家の個展を定期的に開催する。7月31日~8月8日は、ガラスアーティスト金東希(キム・ドンヒ)さんの作品を並べる「ガラス展」を行う。光により表情を変える金さんの作品は、色ガラスを並べ、オリジナルの板ガラスを作り、それを繋ぎ合わせ加熱し、宙吹でカタチを作るという、複雑な工程で作られる。使うガラスの色により、加熱後の収縮率が異なるので、綿密に計算しパーツを組み合わせている。手間を惜しまず、時間かけ生みだす作品からは、作り手の熱い思いが伝わってきそう。置いておくだけでも美しく、手にとる度に気持ちが和む。来客用はもちろんのこと、自分のための小さな贅沢として楽しみたい。
2021-07-23
百花騒鳴
48.入院
街の病院で「おそらくヘルニア」と診断された。その翌朝、左半身の激痛で起き上がることのできなくなった私は、救急車で総合病院へ運ばれた。ストレッチャーで、慌ただしく院内に連れられていく。付き添う看護師さんが、「お名前言えますか~。ここどこか分かりますか~」と、まるでドラマのように緊迫した口調で話しかける。えー、えー、意識は非常にハッキリしていますからね、恥ずかしながら状況把握はできていますよ……と思いながら、質問に答える。そこへ担当する医師がやってきて、ひとしきり問診、触診した後、MRIへ。これが、一つの難所であった。腰の画像を撮影するために仰向けにされた。この体勢になった途端に、唸るほどの激痛が走る。「ムリ。ムリ。ムリ…」と叫んでも無情に耳栓をされ「いってらっしゃい」と釜の中に送られる。痛みで涙が止まらない。どうにか気を紛らわせたい。筒内に響く機械音のリズムに合わせ、「痛っい。痛っい。痛っい。ム~リ。ム~リ。ム~リ」と読経のように呟き続けた。この声は、マイクで拾われていたようで「はい。後5分で終わるからね~、頑張って~」とスピーカーから乾いた声が返ってきた。ようやく撮影が終わり救急外来に戻されると、待ち受けた医師から「うん!かなり派手にヘルニア出ちゃってるね!」と診断をされ、更なる苦痛の待ち受ける治療の場へと、また運ばれていくのだった。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございます。
次回は、東京2020大会が終了する9月半ばを予定しています。
それでは、吾亦紅の揺れる季節にお会いいたしましょう。
2021-05-18
思わず夢中になる、手織りの世界
おん手織工房
たて糸と、よこ糸を組み合わせながら自分だけのオリジナルの布を織り、手織りの楽しさと自由さを味わうことができる手織教室「おん手織工房」。はじめてでも気軽に体験できる「裂織り」は、古布や着なくなった着物を細く裂き織り込んでいく技法。なかなか捨てられない思い出の品を、新しいものへと生まれ変わらせ再利用する。その素敵なバトンタッチの魅力が若い世代からも注目されているそう。その他、自分の好きな色に染めた糸で織る「糸染め」や「絣」、「組織織り」など、作りたいものに沿って指導してくれる。また一年半に一度、生徒が作った作品を披露し、販売する作品展を開催。今回は、「ギャラリー濱村」で、5月20日より開催する。「一つとして同じものができないところが魅力」と口を揃える生徒の個性あふれる作品は必見。
2021-05-17
寺院運営の安心な永代休養 静岡初の「自動式搬送納骨堂」が誕生
本要寺
近年、家族の在り方や働き方の多様化により、墓所も同様、自分のスタイルに合った墓所選びをする人が増えている。そのスタイルのひとつとして挙げられるのが納骨堂。なかでも遺骨が参拝スペースまで自動的に運ばれてくる「自動搬送式納骨」と呼ばれる納骨堂の申込が首都圏を中心に増えいているという。静岡県内では初となる、「自動式搬送納骨堂 永遠の郷-とわのさと-」が誕生した。JR清水駅から徒歩10分に位置する、400年余の歴史を持つ、由緒ある示迹山 本要寺が管理する。個別の参拝カードをカードリーダーにかざすと、遺骨を納めた厨子が現れる。参拝画面には、登録した遺影などが表示される。最新のシステムを導入した墓参りのスタイルだ。宗旨宗派は問わず、1区画最大8人まで納骨が可能で50万円(税込)。永代供養を含む手頃な価格で、お墓に関わる負担を軽減してくれる。現代的なシステムでありながら、 寛永元年から続く歴史ある寺院が管理してくれるから、先々までも安心して任せられる。墓じまいや改装、墓の引越しを考えているなど、墓所に関する悩みごとは、「自動式搬送納骨堂 永遠の郷-とわのさと-」を運営するタナカ石材株式会社まで、気軽に相談を。
2021-05-17
大切な一着がキレイに蘇る 着物専門クリーニング
きもの病院 さが流
繊細な着物は、日々のお手入れであっても、しっかりと信頼できる専門店に任せたいもの。40年以上に渡り和服専門クリーニングとして実績のある「さが流」は、質の高い技術とサービスで、全国から多くに依頼と信頼を得ている。基本のクリーニングでは、まず襟や裾の汚れを中心にしっかりと取り除いた後、素材や状態に合わせた作業を経て、丁寧に仕上げてくれる。袷は7,700円、振袖・留袖は11,000円で、依頼から2~3週間でできあがる。急ぎの場合は、プラス1,000円で3~4日での仕上げも可能。また、シミ抜きや修復、リフォーム、仕立てといった依頼はもちろんのこと、仕立て直し、縮み直し、袖切り、袖戻し、染め・色掛け、撥水加工など、専門店ならではの幅広い依頼も受け付けてくれる。色褪せや、体型の変化や縮みで着られなくなってしまったお気に入りの着物が、もう一度蘇るかもしれない。役目を終えた着物は、ドレスやバッグなど別の姿に生まれ変わらせることもできる。「もう着られないかな」と諦めてしまう前に、電話相談、オンラインショップからのオーダーなど、遠方の人向けのサービスも用意している「さが流」に一度相談してはいかがだろう。
2021-05-17
百花騒鳴
47. 激痛
ある朝目覚めると、身体の自由が効かなくなっていた。左下半身が激痛で動かせない。立ち上がることはおろか、上半身を起こすことすらできない。原因は、分かっていた。前日、同部位の鈍痛のために、友人が勤める近所の整形外科を受診した。そこで「おそらくヘルニア」と言われていた。しかし、この状況は予想していなかった。まさか、身体を起こせなくなるとは。とりあえず、横泳ぎのように這いずり、寝室を出た。しかし何もできない。「これ、どうするよ。救急車?こんなに意識がハッキリしているのに、救急車のお世話になるの?」自問を繰り返すが、答えが出ず、前日世話になった友人に電話した。「それは、もう救急車だ!」そう言って、勤務先の病院から大人用のオムツと医療機関への紹介状を持って駆けつけてくれた。粗相があってもいいようにと、友人にオムツをされた。齢45で、大人のオムツデビューと相成った。その後、タンカで救急車へと運びこまれた。付き添ってくれた友人がテキパキと対応してくれるが、親族への連絡が必要とのことだった。実家へ電話を掛けた。すると、電話の向こうの様子がおかしい。なんと、食あたりで家族みんなが寝込んでいた。「こんなことってある~?」と笑いが込み上げてくる。不調の者同士、互いの健闘を祈りつつ終話。私は、サイレンの鳴る車両に揺られて、病院へ運ばれていった。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございます。多くの方のご協力で無事発行することができました。次回も、皆さまに喜んで頂ける情報を集めて参ります。
では、雨の匂いの残る半夏生にお会い致しましょう。
2021-03-13
大航海時代のロマンを感じる船旅を
星野リゾート 界 アンジン
「青い目のサムライ」と呼ばれた英国人航海士ウィリアム・アダムス、日本名三浦按針ゆかりの地に建つ温泉旅館。館内は、いたるところに海や船旅にまつわるアートを取り入れた、スタイリッシュな空間が特徴。全室オーシャンビューの客室は、かつて航海で使われていた舵や櫂などを取り入れた、海へのロマンをかきたてる船旅仕様。ローベッドとソファを設えた快適な空間で、海上にいるような航海気分が味わえる。英国のエッセンスを加えた特別会席では、ブイヤベース鍋が供される。具材には伊勢海老、金目鯛、あさりなど。出汁の旨味、魚の旨味を存分に味わえる一品。アーティスティックな半個室で、ゆったりと海の幸を心ゆくまで楽しめる。最上階に位置した大浴場からは、青く広がる太平洋を一望。男女それぞれにみかげ石の内風呂と岩造りの露天風呂を備え、朝日に光る水面やグラデーションに染まった空と海の景色は外せない絶景。時間とともに移りゆく眺めを堪能できる。湯上がりには、甲板をイメージした「サンブエナデッキ」で海風にふかれながら、昔、航海のお供と言われていたクラフトビールを一杯。









