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2024-01-21
ジュエリーに宿る「物語」を受け継ぎ、新たな物語を紡いでいく

&meek

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様々な場面で活躍している女性にとって、日常使いできる長く寄り添うジュエリーを提案するジュエリーショップ「&meek」が誕生した。新店であっても、ジュエラーたちは長く宝石に携わってきた経験豊富なプロ集団。代表の櫻田美咲さんは、2007年メルボルンのBox Hill Instituteにて、ジュエリーデザインコース修了し、宝飾へ携わる。以来、顧客対応だけに留まらず、海外買付や外部団体との共同企画など、様々な経験を積み、2022年に同店を創業。また、共同で経営に携わる鈴木廣美さんは、櫻田さんの母であり、半世紀以上に渡り、静岡の宝石業界を牽引してきた伝説的な人物。そんな2人が率いる「&meek」は、高い経験値から、その人のキャラクターやファッションを見極め、本当に使える、似合うジュエリーをコーディネートしてくれる。「宝石のクオリティは高いけれど、使い道がない」ということがなく、日々の中で、さり気なく自分を輝かせるジュエリー出合うことができる。同店では、「そのジュエリーに物語が隠れている」をキャッチコピーに、リノベーションブランド「the seeds」を立ち上げた。ジュエリーを購入した人の思い、作り手の思い、ジュエリーだけが見てきた長い歴史など、 美しいジュエリーに宿る様々な「物語」に寄り添い、ジュエリーと身につける人との絆を新たなに繋ぐ、ジュエリーのリノベーションプロジェクトでありたいという願いが込められている。祖母や母から受け継いだジュエリーなど、そのままでは活用の場を失ってしまったアイテムも、単にフレームなどを新しいものに入れ替えるのではなく、オリジナルのデザインを生かしながら、新たなデザインへと昇華してくれる。大切な思い出が詰まっているけれど、今は眠らせてしまっているジュエリーがあれば、一度持ち込んで相談してみよう(相談無料)。

 

 

♦︎イベント♦︎

「the seeds」リノベーションフェア

期間 2024年2月23日(金・祝)~25日(日)

ジュエリーリノベーションの相談を受け付け、その場で新たなデザインを提供します。

期間中に注文の方には、ジュエリーの中にシークレットストーンをプレゼント!

予約優先のため、事前予約がおすすめです。

 

 

&meek

静岡市葵区七間町6-5 石上ビル1・2階

054-266-7681

11:00〜18:00 (最終入店時間18:00)

定休:火曜・水曜

駐車場:七間町第5パーククラブを利用の場合

来店:1時間のサービス券

購入:2時間のサービス券

※予約優先:電話または公式LINEから、事前の予約がおすすめ

https://andmeek-theseeds.com/

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2024-01-21
資材をつなぎ、新しい価値を生み出す 「エシカルプロジェクト」

atelier Sù アトリエス

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地域の資源、文化、技術をデザインの力で結び付け、新たな価値を創造し、世界へ発信する活動を続けている「atelier Sù」では、今秋「静岡発のエシカルプロダクト」を立ち上げた。様々な製品の製造工程で発生する端材を利用して、木、竹、陶磁器、繊維など、地域に根差した自然素材や技術と組み合わせたデザインにすることで、オリジナリティ溢れる作品を生み出している。そのままでは処分されていたパーツたちに、アトリエの代表でありデザイナーの鈴木啓子さんが、新たな姿、役割を与えているようだ。その一つは、小鳥の巣箱をイメージした茶箱のセット。木箱は、ヒノキやクリ、ウォールナットなど家具製作で発生する天然木の端材を利用し、色味や風合いを生かした温もりを感じる仕上がり。中には、鴨をモチーフにした陶器の急須、卵型の湯飲みが納められている。日常使いはもちろんのこと、来客用の茶器やギフトとしても活用しそう。同じ天然木の端材で、3段ラックも製作した。高さと幅の異なるラックの使い道は無数にある。玄関先などちょっとしたスペースに置くことで、素敵な飾り棚に。重ねればコンパクトに収納できる。また、遠州織物の糸や布の端や、障害福祉サービス事業所の作業者が色とりどりの糸で織りあげた布を組み合わせて完成したのは、素朴で可愛らしいティーマット。いずれの作品も、「お茶とクラフトであなたの時間を楽しんでいただく」をコンセプトとしたオンラインストア で購入が可能。3月の展示販売会でも、手に入れることができる。

 

♦︎イベント♦︎

進化系☆四人展

4名のデザイナーによる共同展示販売会を開催!

期間中は真田紐と着物リメイク小物のワークショップも予定しています。

 

期間:2024年3月14日(木)〜17日(日)

場所:静岡市葵区鷹匠2-6-1  GALLERY悠

出展者:atelier Su’ 鈴木 啓子(お茶小物)、創房荻須 内山 あき江(真田紐のアクセサリー)、表装家 神戸 美知子(現代表装)、K’s Remake 竹川 佳須美(着物をリメイクした服)

 

atelier Sù

静岡市葵区瀬名川1-32-16-307

054-340-0345

https://ateliersu-shop.com

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2024-01-21
大人女性のためのセレクトショップ

gioia

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一時の流行を追うのではなく、質の良いモノを長く楽しんでもらいたいという思いから、素材やシルエットにこだわって作られた日本のブランドを集める「gioia」。ONとOFF、

モダンとクラシック、カジュアルとフェミニンなど対となる要素をリミックスし進化するスタイルを提案するDOUBLE STANDARD CLOTHINGをはじめ、MANOF、Maglia Plus、COEL、YENN、CHIGNON、ALMなど、作り手の思いがこもったアイテムが並ぶ。自身のスタイル持つ大人女性に選んでもらいたい上質な品ばかり。2月からは、オーナーの崔(さい)さんによるカラー診断のサービスも始まる。「似合う」を探して、ファッションを楽しみ、より輝こうとする女性に寄り添ってくれる。2月にはアクセサリーのPOPUPストアも計画中。詳しくはSNSをチェック。

 

♦︎1月末までは、モニター価格(1,100円)でカラー診断が受けられる

♦︎カラー診断4シーズン

カラードレープを使って、パーソナルカラーを診断。肌・髪・瞳(虹彩)・頬・唇の色など身体色から似合うカラーを割り出します。

所要時間90~120分

料金8,800円

 

gioia

https://www.instagram.com/gioia.1010/

静岡市葵区鷹匠2-16-20 ロイヤルヴェッセルベーラージオ内

定休 水曜(他不定休あり)

駐車場 近隣にコインパーキングあり

10:30〜18:30

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2024-01-21
63.満身が装威

百花騒鳴

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今季の気象は、例年と違う。凍えるような寒い日もあれば、汗ばむような日もある。そこに、更年期症状も相まって、不調をきたすことが多々。今号の編集作業中も、頭痛と肩こりに悩まされ辛抱できなくなったために、深夜のリラクゼーションサロンへと向かった。出迎えてくれた人は、大柄な男性。この人なら、きっと私の厚めな脂肪を乗り越えて、ツボまで到達してくれるに違いないと一目で確信した。安心と信頼を抱いて、施術台でうつ伏せになる。背面全体を伸ばすような軽擦から始まる。その時点で、非常に心地よい。大きな手のひらで、丁度いい圧を掛けてくれる。ムダな会話もなく、的確に疲労部位へアタックしてくれる。そんな心地よいまどろみの中で、ふと思い出したことがある。以前見たテレビ番組で、施術者さんが話していた。「私、凝ってるでしょう」というお客さんがいるが、それほど凝っていない。けれど気を使って「そうですね。随分お疲れのようですね」と答えるという。他者からしたら、自分の肩こりは大したことがないのだから、「疲れ自慢」みたいな発言は気を付けようと思ったのだった。本日の私のコリなど、この達人からしたら赤子の手をひねるようなものだろうと思っていた。しかし、しばらくすると様子が変わってきた。「ふ~」っとため息とも、深呼吸ともとれるような声が男性から何度も聞こえてくるようになった。そして一言、呟いた。

「柔らかい部分が一カ所もない」

どうやら、疲れ自慢を気にしている場合ではないようだ。むしろ、私の固まった身体が施術者にダメージを与えている?「おじさん、申し訳ない」と心で呟くも、至極の時間に甘えさせてもらうこととした。十分に達人の指圧を堪能し、清々しい気分で起き上がった時、達人は幾らか年老いてしまったようだった。「ちゃんと、温める生活を送ってくださいね、身体が鎧みたいですよ」という嘆きのようなアドバイスに、「はい。気を付けます。皆さんと同料金ですみません」と一礼した。すっかりリフレッシュできたところで、今年も貫禄のボディで駆けていこうと思う。

 

今号も最後までお読みいただき、ありがとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いします。次回は、梅の香りが漂う頃にお会いしましょう。

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2023-11-28
静岡の秘境「梅ヶ島」で唯一無二ののサウナ体験

梅ヶ島ドライブイン

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安倍川の源流地である静岡市最奥部の梅ヶ島温泉郷。海抜1000mほどに位置し、周囲を八紘はっこう嶺れい、大谷嶺、山伏やんぶし、安倍峠、十枚山などの名山に囲まれる。秋は、紅く染まる山々、日本三大崩れの一つ大谷崩れ、安倍の大滝、赤水の滝など、自然が作り出す景観に恵まれてる。温泉は、湯治場として古い歴史を持ち、開湯は1700年ほど前と伝えられている。梅ヶ島温泉、梅ヶ島新田温泉、梅ヶ島金山温泉、コンヤ温泉と異なる場所から複数の源泉が涌いている。泉質は、梅ヶ島温泉とコンヤ温泉は単純硫黄泉、新田温泉と金山温泉はナトリウムー炭酸水素泉と二種類に分かれる。アルカリ性のとろみのある、なめらかな肌触りの湯で「美肌の湯」とも言われている。この風光明媚な郷に、新たな名所が誕生した。場所は、10年前まで来訪者の休憩場所として親しまれていた「孫佐島ドライブイン」の跡地。土木建築工事などで静岡の街を支える株式会社アースシフトが、「オクシズ(奥静岡)に新しいスポットを!」という思いで、サウナを完備した宿泊施設とショップを併設した「梅ヶ島ドライブイン」をオープンさせた。

ショップでは、Pearl Street Coffeeが手掛けるスイーツや焼き菓子、特製ハンガーなどの軽食、オリジナルクラフトビールに、梅ヶ島スカッシュといったオリジナルドリンクまで、「静岡」や「梅ヶ島」に因んだメニューが楽しめる。テイクアウトも可能だが、清々しい風の通るテラスで味わうことができる。

宿泊は、1日2組限定だが、2室はコネククティングドアでつながっており、1棟貸しも可能。枯山水庭園のような広々とした庭設えたモダンな和室と、周囲の自然に溶け込むような洋室の2タイプを用意している。各室のこだわりのサウナは、全国のサウナ施設のプロデュースを手掛ける実業家にしてプロサウナー、「ととのえ親方」こと日本サウナ学会理事である松尾大氏がプロデュースした。和室に拵えたのは、庭を眺めながら入浴できる茶室風のサウナルーム。躙り口をイメージした扉をくぐると、部屋の中央には日本ではまだ珍しいドイツのブランドEOSのサウナストーブがあり、上部には静岡茶の入ったヤカンが下がっている。立ち上る湯気と共に広がる茶の香りに癒されながら、たくさんの汗をかいたら水風呂へ。無加温、無加水の冷泉「コンヤ温泉」と15℃の中硬水安倍川の天然水の交互浴が堪能できる。「コンヤ温泉」はpH10.3のアルカリ性でとろみがあり、まるで化粧水のよう。洋室には、サウナの聖地フィンランド生まれの世界的トップブランドHARVIA製の薪ストーブを設置。火力が高く、熱がダイレクトに伝わると共に、梅ケ島産の薪の燃える香りや立ち昇るスモークを感じることができる。こちらの水風呂は、コンヤ温泉と安倍川の天然水を好みに合わせ、混ぜて浸かるハイブリッド水風呂。どちらの部屋も、ここ「梅ヶ島」でしか味わえない、自然の恵みをふんだんに取り入れたサウナ施設に仕上がっている。今後は和室のデイユースも予定中。

 

◎サウナヴィラ

・和室(2名利用の場合1室)

平日      60,000円~

土曜      80,000円〜

金曜・日曜    70,000円〜

 

・洋室(2名利用の場合1室)

平日      50,000円~

土曜      70,000円〜

金曜・日曜   60,000円〜

 

◎食事

夕食・朝食セット

大人/1名10,000円、子供/1名5,000円

【内容】

静岡厳選食材BBQ

梅ケ島産生わさび 一本

静岡のお土産付き

※食材の持ち込み可能

 

◎デイユースサウナ

近日予約開始

11:00~14:00/ドリンク付き

平日 4名まで/20,000円、5名/25,000円

土曜・日曜  4名まで/24,000円、5名/30,000円

 

梅ヶ島ドライブイン&サウナ ヴィラ

静岡市葵区梅ケ島4159-37

新東名 新静岡I.C.から車で約40分

JR静岡駅から車で約60分

054-295-4137

駐車場 あり

ショップ営業時間 平日10:00~16:00 休日8:00~16:00

休日 不定休

Instagram https://www.instagram.com/umegashima_drive_in/

HP https://umegashima-drivein.jp/

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2023-11-28
全国的にも珍しい「自然栽培米」の米ぬか酵素浴

鷹匠酵素浴サロン OHANA

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体の冷えは、万病のもと。今年の猛暑から疲れが抜けていないという人は特に要注意。しっかりと芯から温めて、冬の寒さに対する備えをスタートさせよう。体温は1度下がると免疫力は30%も低下し、体温が1度上がると、免疫力は5~6倍に上がると言われる。免疫力がアップし、菌やウイルスに負けない体づくりに一役買うのが、「酵素浴」。体を温め、代謝を促すだけでなく、入浴の発汗では、通常の汗に比べ血液中の老廃物が7倍も出ていると言われ、血液のサラサラ化にもつながるという。健康維持や美容効果を期待する男性、更年期を穏やかに乗り切りたい、いつまでも若々しくいたいと願う女性など、幅広い層から注目を集めている健康法だ。

中でもおススメしたいサロンは、今年6月にオープンした、高級酵素浴「鷹匠酵素浴サロン OHANA」。ここで体験できる酵素浴は、他とは異なる。その理由の一つは、使用している「米ぬか」の違い。「奇跡のリンゴ」で知られる木村秋則さんから直接、栽培の指導を受け、生産から流通までをワンストップで行うNPO法人岡山県木村式自然栽培実行委員会から直接仕入れている。自然栽培米の生産は難しく、全国的にも生産量の少ない中で、同委員会から仕入れたぬかだけで「米ぬか酵素」を製造しているのは、全国でもこのサロンだけ。肥料、農薬、除草剤に頼らない、人と地球にやさしい農法「自然栽培」は、植物や土壌本来の力を生かした栽培のため、微生物の量が多く、酵素も豊富という特徴があるという。この自然の力をたっぷりと吸収した新鮮な米ぬかを、自家製の種菌で発酵させている。発酵のパワーも強く、一般的な米ぬかに比べ短時間で発酵し温度が上がっていくようだ。フレッシュな米ぬかの中で、活きのいい酵母が活性している浴槽は、驚くほど臭いが少ない。自家製の米ぬか酵素の開発に取り組んできたオーナーの大下恭子さんは、「新鮮な肉や魚って、臭みが少ないでしょ。それと同じです。鮮度のいい米ぬか酵素は、ほとんど臭いを出しません」という。また、月に1~2度、全て新しい材料と入れ替えることに加え、企業秘密の防臭対策も行っている。入浴後も特有の臭いが残ることがない。仕事終わりに立ち寄り、電車やバスなどの公共交通機関で帰ることも、飲み出かけることも心配不要。「一度で違いが分かる」米ぬか酵素浴を、あなたの体で体験してみて。

 

鷹匠酵素浴サロン OHANA

静岡市葵区鷹匠2丁目16-18 ジオグランツ鷹匠1階

090-5495-0004

14:00〜20:00(完全予約制)

定休 水曜

駐車場 近隣にコインパーキングあり

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2023-11-28
じっくりと作りながら 歴史に思いを馳せる

Woody JOE ウッディジョー
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日本唯一の木製帆船模型メーカーとして知られるウッディジョー。帆船のみならず、神社仏閣や城郭など歴史的建造物のシリーズも多く販売し、長きにわたり模型ファンから愛されている。精密さで定評のあるキットは、完成するまでに長い時間が掛かる。模型化する物の図面や資料を入手すると、設計者が現地に足を運び、調査を行う。実物を知ることで、質感や迫力まで再現できる設計が可能になる。また、初心者でも手順通りに作業を進めれば、美しい完成品に仕上がるように、部品の形状や、組立手順なども緻密に考えられている。材料は、各パーツに適した木材を選定。中には、しなやかなヒノキやスギといった天然木も使われる。そのパーツには番号が刻まれており、パーツの画像やイラストがふんだんに使われた分かりやすい説明書と照らし合わせることで、迷うことなく着実に組み合わせていくことができる。木の香りに癒されながらコツコツと作業を進めることで、気づけば実物を忠実に再現した精巧な模型が仕上がる。完成品の美しさへの満足感と共に、充実感や達成感も味わえる。そのウッディジョーから、今年の秋、徳川家康公とゆかりの深いシリーズが発売された。一つは、久能山東照宮の楼門。中央の「東照大権現」の扁額、蟇股(かえるまた)には平和の象徴とされる霊獣、獏(ばく)の彫刻まで細部にわたり再現されている。塗装タイプは、楼門本体を豪華に引き立てる飾り金具にエッジングを使用。獅子と狛犬は現物を3Dデータ化し、ゴールド色に塗装したものが付属されている。毎年秋に夜間特別拝観として開催されている「天下泰平の竹あかり」を、LEDライトを使用し幻想的な雰囲気とともに再現。白木タイプは、木造の建築美と質感を活かし、素組みでも充分に趣ある作品に仕上げられる。精密さはそのままに、初心者でも組み立てやすいキットになっている。もう一つは、駿府城。小天守を伴った後期望楼型を再現した。五層七階の天守は、華麗なデザインで伝統的意匠を有していたといわれる。キットは慶長Ⅱ期天守の研究資料を基に、ウッディジョー独自の設計で作られた。唐破風屋根や破風飾りなど、駿府城の美しい外観を木製で、鯱や欄干の擬宝珠は金属で再現されている。石垣も全て木製。地中で黒褐色に変色した希少の神代木で石垣の色合いを表現している。長い夜の過ごし方として、模型作りに挑戦してみてはいかがだろう。

 

Woody JOE ウッディジョー

静岡市駿河区大谷691

9:00~17:00

定休日 土曜・日曜・祭日 ※祭日不定期

054-283-8382

https://www.woodyjoe.com/

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2023-11-28
百花騒鳴

62.芋掘り
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日中は汗ばむほど暑い日もあるのに、味覚は季節を進めていく。先の休日は、叔父の家庭菜園でサツマイモ掘りを手伝った。家庭菜園といっても、サツマイモのツルが連なる畝1つを掘り起こしていくのは、そこそこ重労働である。叔父と私が、スコップで土を掘り起こす。土から顔を出したイモを、私の母と娘が抜いていく。水分を含んだ土はずっしりと重く、勢いよくスコップを突き立てないと土中に入って行かない。「よいしょ!」と言って、柄に全体重をかけると、「ザクッ」と瑞々しい音がなった。その瞬間、周囲の空気が止まる。みんなが私を見つめる。視線が痛い。誰かが言った。「やったな」慌てて土をかき分けてみると、美味しそうな薄黄色の断面が現れた。イモはシャープに切断されていた。その後も、慣れていないことを理由に、何度か瑞々しい音を畑に響かせることになった。その度に、「あ」「また」「何個め?」という批判の声を浴びながら作業を続けた。気づけば数十キロのイモが収穫できていた。本日の夕食は、イモの天ぷらだとほくそ笑んでいると、「さ、これを1ヵ月寝かせるぞ」と叔父が言う。熟成させることで、でん粉が糖に変化し甘いイモになるのだと。お手伝いのご褒美は、1ヵ月先へとお預けとなった。

 

今号も最後までお読みいただきまして、今年1年ご愛読いただきまして、誠に感謝申し上げます。

次回は、新たな年にお目に掛かります。来年も皆さまにとって、希望多き年となりますよう、お祈り申し上げます。

編集部一同

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2023-09-21
百花騒鳴

新車

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欲しかったモノが手に入るのは、誰だって嬉しい。ましてや、大枚を叩いた自分へのご褒美であれば尚更。私の古い友人も、以前大きな買い物をした。日本の道路では性能を持て余す、流麗なフォルムのスポーツカーである。納車したばかりで、「どのボタンを押せば、どうなる」なんて事もよく分からないまま、友人と私はドライブへ出かけた。出発の時点でかなり夜が更けていたが、「駆け抜ける喜び」を実感したいと言って、静岡市の最北部ともいうべき山間の井川エリアへ向かった。市街地から離れるに連れ、道は徐々に狭くなっていく。街頭のない山の陰は、漆黒と言っていいほど暗い。そこを切り取るように、ヘッドライトが直線的に照らしていく。なんとなく、心細くなる。車内の会話も途切れがちになった頃、地元で知られる大日峠にたどり着いた。黒く塗りつぶしたように真っ暗の中、変形の十字路が浮び上がっている。見知らぬ山奥の辻に、私たち以外は誰もいない。急に得体の知れない恐怖心が込み上げてくる。左右に伸びる道から、何かやって来そうな気がする。いや、背後から現れるかも知れない。こんな道の真ん中で長居は無用だ。さっさと車を発進して欲しいと思っているのに、なぜだか友人がもたついている。「え?あれ?何?」と困惑した様子で、暗い中に浮かび上がるナビ画面を操作している。その状況に、私の恐怖心はフルスロットル。無言のまま一人勝手にパニックを起こし、あろうことか運転席と助手席の間にあるスタートボタンを押してしまった。一瞬にして、車のエンジンは止まり、友人が必死に見つめていたナビ画面もシャットダウン。その事態に、今度は友人が大パニックを起こした。

「ギャー!何!何が起こったの?急に、急に、車のエンジンが止まった」

まるで、心霊現象と言わんばかりに、恐怖に慄いている。ドライバーにとっては、ただ道に迷っていただけなのに、暗い道の真ん中で急に車のエンジンが止まったら、それは怖いことだろう。もう、あまりの慌ててように、「私が犯人です」とは言い出せない。その後も、ドライバーの緊張は終始解れないままだったのだろう。人家の灯りが見えるまで、左右に車体を揺らして進んでいった。私は、謝罪の気持ちと酸っぱいモノが胃の腑から込み上げてくるのを感じながら、目を閉じて静かにシーベルトを握りしめていた。

 

今号も最後までお読みいただきありがとうございました。

次回は、柚子の香る頃に冬のお便りをお届けいたします。

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2023-09-21
牧之原の古刹で味わう、戦慄の体験「石雲院百怪談」

 

NPO法人ソラノワ

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東アジア文化都市2023静岡県地域連携プログラムである「石雲院百怪談」は、百花壇スタッフが「秋の夜長を楽しんでもらいたい」という思いから企画したイベント。牧之原市と富士山静岡空港の後援を受け、空港周辺エリアの活性化に尽力しているNPO法人ソラノワが主催する。開催場所は、富士山静岡空港の敷地を所有する、歴史ある古刹、曹洞宗 龍門山 石雲院。牧之原市勝田地域を治めていた勝間田氏により寺領を寄進され康正元年に創建された。その後、勝間田氏の菩提寺として、また今川氏、武田氏、徳川氏と、有力な大名に庇護されたという歴史を持ち、800を超える末寺を全国に抱える。山門、総門、参道の丁石、龍門の滝の彫刻など、建築や彫刻技術に優れた寺としても知られ、 牧之原市の指定文化財になっている。ここで怪談を語るのは、「今、もっともチケットの取れない怪談師」と謳われ、動画配信チャンネルでは登録者数が12万人を超える人気怪談師、城谷歩氏。2012年に怪談師としてデビューすると、落語や講談・弁士の語りを独学で研究を続け、ノスタルジックで独特な語り口「城谷節」を確立。甘い声色と情緒豊かな語りは、老若男女問わず広く楽しめると話題を呼んでいる。「石雲院百怪談」では、寺院周辺で実際に起きたエピソードなど、このイベントでしか聞くことのできない実話怪談も披露される。この日限りの背筋の凍る恐怖を体験あれ。

♢NPO法人ソラノワ♢

場所    曹洞宗 龍門山 石雲院 本堂

     静岡県牧之原市坂口1251

日時  2023年10月28日

     昼口演 開場12時半 開演13時30分~

     夜口演 開場16時  開演17時~

席数   昼150席 夜150席

チケット代 1枚3300円

チケット購入サイト https://soranowa.theshop.jp/ 

※富士山静岡空港の駐車場をご利用ください

NPO法人ソラノワ

島田市湯日1-1

080-3486-1532
kurebayashi.m@gmail.com

http://soranowa.com/

 

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