No.63
2023-11-28
静岡の秘境「梅ヶ島」で唯一無二ののサウナ体験
梅ヶ島ドライブイン
安倍川の源流地である静岡市最奥部の梅ヶ島温泉郷。海抜1000mほどに位置し、周囲を八紘はっこう嶺れい、大谷嶺、山伏やんぶし、安倍峠、十枚山などの名山に囲まれる。秋は、紅く染まる山々、日本三大崩れの一つ大谷崩れ、安倍の大滝、赤水の滝など、自然が作り出す景観に恵まれてる。温泉は、湯治場として古い歴史を持ち、開湯は1700年ほど前と伝えられている。梅ヶ島温泉、梅ヶ島新田温泉、梅ヶ島金山温泉、コンヤ温泉と異なる場所から複数の源泉が涌いている。泉質は、梅ヶ島温泉とコンヤ温泉は単純硫黄泉、新田温泉と金山温泉はナトリウムー炭酸水素泉と二種類に分かれる。アルカリ性のとろみのある、なめらかな肌触りの湯で「美肌の湯」とも言われている。この風光明媚な郷に、新たな名所が誕生した。場所は、10年前まで来訪者の休憩場所として親しまれていた「孫佐島ドライブイン」の跡地。土木建築工事などで静岡の街を支える株式会社アースシフトが、「オクシズ(奥静岡)に新しいスポットを!」という思いで、サウナを完備した宿泊施設とショップを併設した「梅ヶ島ドライブイン」をオープンさせた。
ショップでは、Pearl Street Coffeeが手掛けるスイーツや焼き菓子、特製ハンガーなどの軽食、オリジナルクラフトビールに、梅ヶ島スカッシュといったオリジナルドリンクまで、「静岡」や「梅ヶ島」に因んだメニューが楽しめる。テイクアウトも可能だが、清々しい風の通るテラスで味わうことができる。
宿泊は、1日2組限定だが、2室はコネククティングドアでつながっており、1棟貸しも可能。枯山水庭園のような広々とした庭設えたモダンな和室と、周囲の自然に溶け込むような洋室の2タイプを用意している。各室のこだわりのサウナは、全国のサウナ施設のプロデュースを手掛ける実業家にしてプロサウナー、「ととのえ親方」こと日本サウナ学会理事である松尾大氏がプロデュースした。和室に拵えたのは、庭を眺めながら入浴できる茶室風のサウナルーム。躙り口をイメージした扉をくぐると、部屋の中央には日本ではまだ珍しいドイツのブランドEOSのサウナストーブがあり、上部には静岡茶の入ったヤカンが下がっている。立ち上る湯気と共に広がる茶の香りに癒されながら、たくさんの汗をかいたら水風呂へ。無加温、無加水の冷泉「コンヤ温泉」と15℃の中硬水安倍川の天然水の交互浴が堪能できる。「コンヤ温泉」はpH10.3のアルカリ性でとろみがあり、まるで化粧水のよう。洋室には、サウナの聖地フィンランド生まれの世界的トップブランドHARVIA製の薪ストーブを設置。火力が高く、熱がダイレクトに伝わると共に、梅ケ島産の薪の燃える香りや立ち昇るスモークを感じることができる。こちらの水風呂は、コンヤ温泉と安倍川の天然水を好みに合わせ、混ぜて浸かるハイブリッド水風呂。どちらの部屋も、ここ「梅ヶ島」でしか味わえない、自然の恵みをふんだんに取り入れたサウナ施設に仕上がっている。今後は和室のデイユースも予定中。
◎サウナヴィラ
・和室(2名利用の場合1室)
平日 60,000円~
土曜 80,000円〜
金曜・日曜 70,000円〜
・洋室(2名利用の場合1室)
平日 50,000円~
土曜 70,000円〜
金曜・日曜 60,000円〜
◎食事
夕食・朝食セット
大人/1名10,000円、子供/1名5,000円
【内容】
静岡厳選食材BBQ
梅ケ島産生わさび 一本
静岡のお土産付き
※食材の持ち込み可能
◎デイユースサウナ
近日予約開始
11:00~14:00/ドリンク付き
平日 4名まで/20,000円、5名/25,000円
土曜・日曜 4名まで/24,000円、5名/30,000円
梅ヶ島ドライブイン&サウナ ヴィラ
静岡市葵区梅ケ島4159-37
新東名 新静岡I.C.から車で約40分
JR静岡駅から車で約60分
054-295-4137
駐車場 あり
ショップ営業時間 平日10:00~16:00 休日8:00~16:00
休日 不定休
Instagram https://www.instagram.com/umegashima_drive_in/
HP https://umegashima-drivein.jp/
2023-11-28
全国的にも珍しい「自然栽培米」の米ぬか酵素浴
鷹匠酵素浴サロン OHANA
体の冷えは、万病のもと。今年の猛暑から疲れが抜けていないという人は特に要注意。しっかりと芯から温めて、冬の寒さに対する備えをスタートさせよう。体温は1度下がると免疫力は30%も低下し、体温が1度上がると、免疫力は5~6倍に上がると言われる。免疫力がアップし、菌やウイルスに負けない体づくりに一役買うのが、「酵素浴」。体を温め、代謝を促すだけでなく、入浴の発汗では、通常の汗に比べ血液中の老廃物が7倍も出ていると言われ、血液のサラサラ化にもつながるという。健康維持や美容効果を期待する男性、更年期を穏やかに乗り切りたい、いつまでも若々しくいたいと願う女性など、幅広い層から注目を集めている健康法だ。
中でもおススメしたいサロンは、今年6月にオープンした、高級酵素浴「鷹匠酵素浴サロン OHANA」。ここで体験できる酵素浴は、他とは異なる。その理由の一つは、使用している「米ぬか」の違い。「奇跡のリンゴ」で知られる木村秋則さんから直接、栽培の指導を受け、生産から流通までをワンストップで行うNPO法人岡山県木村式自然栽培実行委員会から直接仕入れている。自然栽培米の生産は難しく、全国的にも生産量の少ない中で、同委員会から仕入れたぬかだけで「米ぬか酵素」を製造しているのは、全国でもこのサロンだけ。肥料、農薬、除草剤に頼らない、人と地球にやさしい農法「自然栽培」は、植物や土壌本来の力を生かした栽培のため、微生物の量が多く、酵素も豊富という特徴があるという。この自然の力をたっぷりと吸収した新鮮な米ぬかを、自家製の種菌で発酵させている。発酵のパワーも強く、一般的な米ぬかに比べ短時間で発酵し温度が上がっていくようだ。フレッシュな米ぬかの中で、活きのいい酵母が活性している浴槽は、驚くほど臭いが少ない。自家製の米ぬか酵素の開発に取り組んできたオーナーの大下恭子さんは、「新鮮な肉や魚って、臭みが少ないでしょ。それと同じです。鮮度のいい米ぬか酵素は、ほとんど臭いを出しません」という。また、月に1~2度、全て新しい材料と入れ替えることに加え、企業秘密の防臭対策も行っている。入浴後も特有の臭いが残ることがない。仕事終わりに立ち寄り、電車やバスなどの公共交通機関で帰ることも、飲み出かけることも心配不要。「一度で違いが分かる」米ぬか酵素浴を、あなたの体で体験してみて。
鷹匠酵素浴サロン OHANA
静岡市葵区鷹匠2丁目16-18 ジオグランツ鷹匠1階
090-5495-0004
14:00〜20:00(完全予約制)
定休 水曜
駐車場 近隣にコインパーキングあり
2023-11-28
じっくりと作りながら 歴史に思いを馳せる
日本唯一の木製帆船模型メーカーとして知られるウッディジョー。帆船のみならず、神社仏閣や城郭など歴史的建造物のシリーズも多く販売し、長きにわたり模型ファンから愛されている。精密さで定評のあるキットは、完成するまでに長い時間が掛かる。模型化する物の図面や資料を入手すると、設計者が現地に足を運び、調査を行う。実物を知ることで、質感や迫力まで再現できる設計が可能になる。また、初心者でも手順通りに作業を進めれば、美しい完成品に仕上がるように、部品の形状や、組立手順なども緻密に考えられている。材料は、各パーツに適した木材を選定。中には、しなやかなヒノキやスギといった天然木も使われる。そのパーツには番号が刻まれており、パーツの画像やイラストがふんだんに使われた分かりやすい説明書と照らし合わせることで、迷うことなく着実に組み合わせていくことができる。木の香りに癒されながらコツコツと作業を進めることで、気づけば実物を忠実に再現した精巧な模型が仕上がる。完成品の美しさへの満足感と共に、充実感や達成感も味わえる。そのウッディジョーから、今年の秋、徳川家康公とゆかりの深いシリーズが発売された。一つは、久能山東照宮の楼門。中央の「東照大権現」の扁額、蟇股(かえるまた)には平和の象徴とされる霊獣、獏(ばく)の彫刻まで細部にわたり再現されている。塗装タイプは、楼門本体を豪華に引き立てる飾り金具にエッジングを使用。獅子と狛犬は現物を3Dデータ化し、ゴールド色に塗装したものが付属されている。毎年秋に夜間特別拝観として開催されている「天下泰平の竹あかり」を、LEDライトを使用し幻想的な雰囲気とともに再現。白木タイプは、木造の建築美と質感を活かし、素組みでも充分に趣ある作品に仕上げられる。精密さはそのままに、初心者でも組み立てやすいキットになっている。もう一つは、駿府城。小天守を伴った後期望楼型を再現した。五層七階の天守は、華麗なデザインで伝統的意匠を有していたといわれる。キットは慶長Ⅱ期天守の研究資料を基に、ウッディジョー独自の設計で作られた。唐破風屋根や破風飾りなど、駿府城の美しい外観を木製で、鯱や欄干の擬宝珠は金属で再現されている。石垣も全て木製。地中で黒褐色に変色した希少の神代木で石垣の色合いを表現している。長い夜の過ごし方として、模型作りに挑戦してみてはいかがだろう。
Woody JOE ウッディジョー
静岡市駿河区大谷691
9:00~17:00
定休日 土曜・日曜・祭日 ※祭日不定期
054-283-8382
2023-11-28
百花騒鳴
日中は汗ばむほど暑い日もあるのに、味覚は季節を進めていく。先の休日は、叔父の家庭菜園でサツマイモ掘りを手伝った。家庭菜園といっても、サツマイモのツルが連なる畝1つを掘り起こしていくのは、そこそこ重労働である。叔父と私が、スコップで土を掘り起こす。土から顔を出したイモを、私の母と娘が抜いていく。水分を含んだ土はずっしりと重く、勢いよくスコップを突き立てないと土中に入って行かない。「よいしょ!」と言って、柄に全体重をかけると、「ザクッ」と瑞々しい音がなった。その瞬間、周囲の空気が止まる。みんなが私を見つめる。視線が痛い。誰かが言った。「やったな」慌てて土をかき分けてみると、美味しそうな薄黄色の断面が現れた。イモはシャープに切断されていた。その後も、慣れていないことを理由に、何度か瑞々しい音を畑に響かせることになった。その度に、「あ」「また」「何個め?」という批判の声を浴びながら作業を続けた。気づけば数十キロのイモが収穫できていた。本日の夕食は、イモの天ぷらだとほくそ笑んでいると、「さ、これを1ヵ月寝かせるぞ」と叔父が言う。熟成させることで、でん粉が糖に変化し甘いイモになるのだと。お手伝いのご褒美は、1ヵ月先へとお預けとなった。
今号も最後までお読みいただきまして、今年1年ご愛読いただきまして、誠に感謝申し上げます。
次回は、新たな年にお目に掛かります。来年も皆さまにとって、希望多き年となりますよう、お祈り申し上げます。
編集部一同