back number, No.02

2013-09-01
グルメ特集「憂愁の夜長の過ごし方」

ponchi

「シンプルな一皿に宿る 美味への探求心」 ポンチ軒

赤坂の旬香亭が、静岡で「ポンチ軒」としてのスタートを切って1年。各メディアからの取材依頼が多く、席の取れにくい人気店であることは、今も変わらない。足繁く通う客に聞けば、「定番の味はしっかりと変わらず、新メニューにはいつも衝撃を受ける。目と舌だけでなく、頭で味わう料理なんだ」との答えが返ってきた。

その理由は、オーナーシェフの斉藤元志郎さんと店長の古賀達彦さんの旺盛な好奇心にある。「本物の美味しいモノに出合うという経験を増やし、ジャンルにとらわれず知識を得ること。心をオープンにしておくことが大切だと、オーナーの背中を見て学んできました」と古賀さん。店舗の一室には、世界各国の料理の専門書がずらりと並ぶ棚がある。あらゆる料理の技法を学び、素材の旨みを引き出す調理法を組み合わせていく。いわゆる行き当たりばったりの創作ではなく、調理過程のすべてに根拠があり、無駄がない。シンプルな一皿でも、口の中に入れば旨みの重奏となって、体中に広がっていく。小さな器の中に込められた緻密な仕事が、食べ手の脳に衝撃を与える。

次回はどんな体験をさせてくれるのかと、胸を高鳴らせ再来の時を待ち遠しく思うはずだ。

 

 

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