No.57

2022-11-16
大切な思い出を引き継ぐ 世界にひとつの帯椅子「obi:s」

Office Deco -オフィス・デコ-

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2018年LIFE×DESIGN AWARDベストサスティナビリティ賞を受賞した、オフィス・デコによる帯の椅子。「眠っている帯たちに、新しい活躍の場を作りたい」 という代表の思いから生まれた、帯をアップリメイクした世界にひとつだけの椅子。家族の形見や、成人式などで使用した思い出の詰まった帯を、日々の暮らしの中で楽しめるアイテムへと変身させてくれる。制作で大切にしていることは、帯本来の美しさを生かすことと機能性の両立。帯の個性が際立つよう、背面や座面、裏面の三面に柄を配置する。椅子のフレームは、国産ヤマザクラを使用。ほぞ組みで丁寧に組み立て、ピアノフィニッシュで艶やかに仕上げる。無駄を削ぎ落としたシンプルで美しいシルエットは、帯の美しさと融和する。また、硬さの違う内材を三層重ね、快適さも確保。さらに追加で防水、防汚の加工も施せば、日常使いも安心。リビングや玄関、和室など、どこにおいても上質なインテリアになり、現代の住宅にもしっくりと馴染む。直販価格は165000円。加工に適した帯がない場合は、要望を伝えてオフィス・デコに用意してもらうことも可能。オーダーから完成までには2~3ヵ月ほど。日本の伝統、家族の思い出が宿る一脚は、日々の暮らしに優しく寄り添ってくれそう。

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2022-11-15
日暮れが待ち遠しくなる、ダイニングで楽しむ燻製器

 

手造り家具 金鱗

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静岡のオーダー家具「手造り家具 金鱗」が手掛ける新ブランド「higure」は、日暮れからの時間を家具と道具で豊かに演出する。おすすめは、日々の調理器具として活用できる燻製器。アウトドアアイテムとしてではなく、家庭でいつでも燻製料理が楽しめる。シンプルでコンパクトなデザインはキッチンによく馴染む。用意するのはチップと具材のみ。煙の流れを促し失敗を減らすステージ・テフロントレーもセットされているから、初めてでも安心して使うことができる。スモークチップは、廃棄される木屑を使用。実は、家具に使う木材の3 5 %が廃棄される。銘木を余すことなく活用し、新たな循環を生み出したサスティナブルなスモークチップ。食材に合わせて選べるクルミ・サクラ・ナラの3種がある。クルミはどんな食材にも使え、サクラは肉料理、ナラは魚料理に適している。また、3種を自分好みにブレンドして理想の香りを探すのも楽しい。

 

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2022-11-15
スパイスと野菜の旨みを生かした、奥深いスープカレー

スープカレー コモレビ

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2022年5月にリニューアルオープンしたスープカレー コモレビ。ホテルの一角に店舗を構える、ゆったりとした空気が心地良いスープカレーの専門店。これまで多くのジャンルを経験してきたシェフが、前身である「カンクン」のレシピを引き継ぎ、こだわりが詰まったカレーに仕上げている。スパイスは、薬膳をベースとした十数種類を配合。3時間かけてじっくりと炒められた玉ねぎや、野菜のヘタや芯などで作る旨味と栄養がつまったスープ「ベジブロス」、カツオや昆布といった和の出汁やチキンスープなどを合わせ、コトコト煮込むとコク深いスープカレーが完成する。季節ごとに変わるトッピングの野菜は、大振りで食べ応え抜群。素材本来の美味しさや食感の違いを楽しむため、蒸し、素揚げなど調理法を変えている。別皿で添えられる自家製辛味パウダーも、数種類のスパイスをじっくりと炒めた自家製パウダー。一振りすれば、辛味のある奥深い味に変化する。定番人気のメニューは「チキンレッグ&ベジタブル」。柔らかく煮込んだ後に素揚げしたチキンは、優しい味でスープカレーと相性抜群。「豚バラコンフィ&ベジタブル」はローズマリーの香りをしっかりとまとい、カレーに負けない滋味深さ。どのメニューもボリュームがありながらも、ぺろりと食べられてしまう。スープカレーやサイドメニューはテイクアウトも可能。また、夜は店舗奥にあるカウンター席にてワインとおつまみを楽しむお店「nico」として営業している。

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2022-11-14
百花騒鳴

  1.  陶芸

hyakkameisou

「芸術の秋」というフレーズに刺激された我が家は、家族揃って初の陶芸体験にチャレンジした。誰一人、芸術的センスを持ち合わせていないため、土を練る所から、既に動作がおぼつかない。先生も、とんだ生徒たちがやってきたと思ったことだろう。作業中、先生は何度も「困ったことがあったら、直ぐに声を掛けてくださいね。助けにいきますよ」と言う。「はーい」と返事だけは優秀な我々は、師の言葉の真意を理解せず、勝手に手を進める。その結果、娘の茶碗は底に穴があいた。直ぐに先生の助けが入る。娘の茶碗の手直しに、先生が苦戦している間に、今度は私の茶碗がびろ~んと外に広がった。「あら大変、お花が咲いてしまいましたね」と先生。先生が、忙しく私と娘の間を行き来する。我関せずとばかり、部屋のすみで作業に没頭しているのは、一番不器用な母。母は、丸い平皿を作っていた。先生が丸く整えてくれた粘度を、均等に伸ばしていくだけ。一番簡単な作業だと言われた……はずだった。しかし、みんなが目を離している間に、深刻な事態となっていた。さっきまで丸かった粘度は、マンボウの出来損ないのようないびつな形状で、ぺろんぺろんに薄くなっていた。「夢中で伸ばしていたら、こんなになっちゃって……」夢中になるにしても限度があるだろう。薄いにもほどがある。これには先生も「あら、まあ、ね~、フフフ」と言葉がない。どうかは皿に見えるくらいまでに修正してもらい、我々の粘度遊び、もとい芸術は完成となった。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございます。今年も一年、ご愛読いただきましてありがとうございました。来る年が、皆さまにとって健やかな一年でありますようにお祈り申し上げます。新年にお会い致しましょう。

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