No.56

2022-09-16
立体的な絵画が、光り輝く不思議なアート

遥のぶ

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立体的で不思議なアート、シャドーボックス。同じ絵柄の紙を何枚も重ね、立体的な作品に仕上げるアートで、17世紀中ごろ、ヨーロッパの上流階級が楽しむ工芸品として流行した。日本では「3Dアート」(立体絵画)とも呼ばれ、額の中に広がる立体的な世界が魅力だ。長年カルチャースクールなどでシャドーボックスの講師を務める作家の遥のぶさんは、新たなシャドーボックスアート「ライティングシャドーボックス」を開発した。オリジナルの画像を特殊な紙に印刷し仕上げた作品に、LEDライトを仕込んでいる。そのままでもアートとして楽しめるが、点灯させると作品がやさしく光り浮かび上がる。ライトは無段階調整が可能で、インテリアとしてリビングやベッドルームに飾っても素敵。夜長を楽しむアイテムにぴったり。縦15.5cm×横12cm×厚み7cmほどのフレームに満開の薔薇を収めた「ローズ」シリーズは、12,000円。作家がヨーロッパ滞在中に目にした風景を切り取った「風景」シリーズには、「ロンドン 夕景のビッグベン」、「秋のモンサンミッシェル」がある。縦25cm×横25cm×厚み7cmほどのサイズで20,000円。オフィシャルサイトから購入が可能。画像の光る不思議なアートを、静かな夜に楽しんでみては。

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2022-09-16
月待ちティータイム

星のや 富士

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午後の河口湖畔。車を止めた「星のや富士のレセプション」は、すっかり秋の景色。今夜体験する、特別なグランピングへの期待が自ずと高まる。それは、9月1日~10月10日の三日月~満月の日限定で開催される「月光グランピング」。チェックインをすませたら、月が上るまでの間、森の中の空中テントで「月待ちティータイム」を楽しむ。プログラムのために張られた木々の間に浮かぶ空中テントの下で、月の満ち欠けと身体のリズムをもとにブレンドしたハーブティーと、月夜にちなんだ小菓子が用意される。ティータイムを過ごした後は、浮遊感が心地よい空中テントの中で、月に関する本を読んだり、空を眺めたりと、夕暮れまでの時間を満喫する。

 

満月に摘み取られたレモンバームやエルダーフラワー、マリーゴールドなど有機栽培のバーブティーと、満月をイメージした柚子味のマカロン、星にみたてた金平糖、富士山型の干菓子。

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2022-09-16
流麗なプロポーションは、極上のひと時を約束する

メルセデス・ベンツ The C-Class Sedan

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スポーティーでラグジュアリーなシルエットの新型The C-Class Sedanに乗りこんだ。

「ハイ、メルセデス。星のや富士に行きたい」

そう呼びかけると、柔和な声の返事に続き、中央に配された19inメディアディスプレイの大きな画面にルートが表示される。少しの日の傾いた午後、秋めいた富士へと車を走らせる。ルートは、ヘッドアップディスプレイにより、前方のガラスに浮かぶように表示される。スピードや制限速度など運転に必要な情報が、目線を下げることなく確認ができる。車内をラグジュアリーな雰囲気に包むのは、アンビエントライト。好みの色で、自分だけの寛ぎの空間を作りあげる。夕暮れが近づくほど、その明かりは室内をより印象的に演出する。上質な座り心地のシートは、適度な硬さで身体をサポートしてくれる。頭上のパノラミックスライディングルーフを開くと、刻々と変化する秋の空が流れていく。星のや富士の建つ河口湖畔に到着すると、ひんやりと澄んだ空気が満ちていた。

 

車種)

C 220 d AVANTGARDE

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2022-09-16
百花騒鳴

55.夜更け

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地声が大きいからだろうか。うちの母は、寝言も大きい。離れた場所で熟睡していても、母の発する声に起こされることはしばしば。しかし、何を言っているのかまでは聞き取れない。ある時、気持ち良く寝ていた我が娘は、祖母の繰り返す言葉に起こされた。「〇〇、勉強しなさい。〇〇、勉強しなさい」と延々と繰り返しているように聞こえたという。娘はいつも言われているから、そのように解釈したのだろう。しかし、寝言を発した本人が言うには、怖い夢を見ながら「南無妙法蓮華経」と唱えていたというのだ。最近では、愛犬がその被害にあった。深夜、母の寝所から、「うぇ~うぇ~うぇ~うぇ~。ふぁふぁふぁふぁ」と奇妙な声が聞こえてきた。まるで、宇宙と交信しているかのようだ。家族全員が、その声に起きた。しばらく、母の声は続く。何となく嫌な予感がした。次の瞬間、家族に対して決して吠えることのない幼い愛犬が、起き上がり「ウォンウォンウォンウォン!」と警戒の声を上げたのだ。母の寝言を聞き慣れた私は「やっぱりね、夜中に聞くと怖いよね~」と愛犬に同情。

「大丈夫だよ。あれは、ばあばの寝言だよ」と声を掛けると、「え?マジ?」という顔で私を見た。その後、「やれやれ」とでも言ったように、大きなため息を一つ吐き、また静かな眠りに就いた。

 

今回も最後まで、お読み頂きありがとうございます。次回は、柊の花の咲くころにお会い致しましょう。

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