back number, No.52

2021-12-30
香り高く、個性のある在来種 上品なつゆを絡めてすする

きりがねアップ用2

蕎麦心 きりがね

2021年12月にオープンしたばかりの「蕎麦心 きりがね」は、大人の街「鷹匠」の路地裏にある。外観からは蕎麦屋とは気づかないほど、モダンな構え。ふんだんに自然木を使った店内は、心地よく寛げる雰囲気。主人の小泉さんは、蕎麦屋を営む家で育ち、静岡の実力店を巡り蕎麦の修行を重ねた。さらに、老舗日本料理店でも技術を学んだ。ストイックに研鑽を重ねた小泉さんが選んだ蕎麦は、全国で昔から作り続けている在来種。

その日使う分だけ粗びきにする。自家製粉で打った蕎麦は、木の実のような野性味のある香りが力強く鼻の奥に広がる。蕎麦の風味を味わうためのつゆは、上品で控えめ。せいろなどに添える冷たいつゆは、サバの本枯れ節など厳選した素材からダシをとる。すっきりとした旨みが特徴。ツウが好む「せいろ」は880円。この時期に人気の「鴨せいろ」は1,880円。北海道産の鴨を自家製のタレに漬け込み焼いた身と、鴨肉のつくねが味わえる。

夜は、日本料理を主にしたコース料理も提供する。その日のおすすめの品を4~5品が付き、4200円。料理に合わせて地酒を楽しむもよし。お腹に余裕があれば、単品料理や、〆の蕎麦を追加注文するもよし。単品料理のおすすめは、「天盛り」1,680円。地元の農家から届く新鮮な野菜やエビを、藻塩や天つゆでいただく。昼と夜で異なる魅力をみせるきりがねは、既に人気店へ名乗りを上げる予感がする。

 

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