back number, No.52

2021-12-28
百花騒鳴

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初夢

一富士、二鷹、三茄子……、四扇、五煙草、六座頭。新年の縁起物である初夢を「見たい。見たい」と毎年願っても、中々お目にかかれることがない。もしや心地よい夢は、質の良い睡眠がもたらすものなのではないだろうか。だとすれば、「良い夢」にありつけない理由が1つ思い当たる。掛布団である。ある量販店で購入したリーズナブルな、それはそれはリーズナブルな羽毛布団を愛用していた。ダウンの配合も少なく、ダウンパワーも低い布団は、年々寒さが増す。昨シーズンは、羽毛布団の間に、毛布を3枚重ね、電気毛布を敷いてやっと眠りに付いていた。冬の就寝は、恐怖だった。今シーズンこそ、あの地獄を味わうまいと決心し、一度愛用の羽毛布団をチェックした。日に照らし、中身を透かし見た。なんということだろう!長年使い続けた結果、羽はいずこに飛んでいったのか、布団の中心部の羽毛はすっからかんになっていた。布団ではなく、もはやシーツだ。私は、何年も羽毛布団を掛けている気になっていただけだった。「良い夢」をむさぼるために、私は一大決心した。以前と同じ量販店の、「リーズナブルな最高グレードの羽毛布団」へと買い替えた。質がいいのか否かは不明だが、羽毛のない羽毛布団より段違いに温かい。さて、人並みの寝具クオリティを得たからには、今年の「初夢」を期待するとしよう。

 

明けましておめでとうございます。

皆さまにとって、恙なく、健やかな一年でありますようお祈り申し上げます。

本年も百花壇をどうぞよろしくお願いいたします。次回は、花のほころぶ3月にお会いいたしましょう。

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