No.39, 最新号

2019-11-14
考えて味わう、新感覚の炭火フレンチ

シンク-21

SUMIBI FRENCH SINQ

モダンな設えの中に、スーっと伸びる国産のタモ材の一枚板が印象的。この幅広のカンター席に座れば、厨房の様子がつぶさに分かる。ここで供されるのは、ライブ感のある炭火フレンチ。オーナーシェフの保崎慎吾さんが、自らの足で探し求めた生産者の顔の分かる地元食材を、紀州の備長炭を使って大胆かつ繊細に、独自スタイルのフレンチに仕上げる。「寿司屋のカウンターのように、美味しさが最高潮の出来たてを味わって欲しい」という。例えば、秋から旬と言われる鹿肉。持続力のある高温を放つ炭火が、しっとりと柔らかく焼き上げてくれる。味付けはシンプルに、能登の藻塩やマダガスカルの胡椒、自家製の黒ニンニクのピューレなどを付けて、いただく。他の料理では、使用する調味料が独創的だ。生茶葉、生山椒の実、マッシュルームなどを乳酸菌発酵させ、自家製の発酵調味料を作っている。それらはソースや隠し味として使われるから、誰もが想像しがちなフレンチ料理とは一線を画す。「この食材は何?この香り、この風味は?」なんて、食べ進める毎に、自然に五感が研ぎ澄まされ、料理へと意識が集中していく。店名の「SINQ」にも、その思いが隠されている。シェフの名、慎吾と、考えるという意味のthinkを合わせているのだ。私の暮らす身近な地域に魅力的な食材が数多く、それが調理法次第でいかようにも変化するということを、調理工程を見ながら、ゆっくりと味わい感じ入ってはどうだろう。昼は4,500円、6,500円、8,000円。夜は6,000円、8,000円、10,000円。

 

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