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2019-01-01
仕込みの丁寧さが、一皿に現れる

そっせ05

小料理そっせ

再開発が進む街、人宿町に粋な空気を漂わす一軒が、今年完成した商業「人宿町離宮」の一角にある。黒いアイアンと組子細工がモダンに融合する店内には、10名が着席できるカウンターのみ。オープンキッチンでは、店主の望月勇佑さんが腕を振るう。10年以上、日本料理店で研鑚。自分の店を持つ前に素材の勉強をしたいと、料理店が多く利用する評判の鮮魚店で修行したという。そこで学んだことの一つは、熟成。丁寧な下処理をし、旨味や脂の甘みが身全体に行きわたるように、寝かせる。適正な温度管理の元、数日するとふくよかで濃厚な旨みが生まれる。今回登場した氷見の寒ブリも、熟成させたもの。それを藁で瞬間的に燻製、さらに備長炭で焼き上げる。重なり合う芳香が、凝縮したブリの味を一層引き立てる。さりげなく添えられた伊達焼にも、手間を惜しまない様子が伺える。白魚のすり身と和三盆を加えた玉子焼きは、1時間ほど掛けてじっくりと綺麗な焼き色を付ける。この一皿に、どれだけの労力が掛かっていることか。それでいて、料金の控えめな所がにくい。先附から始まり、食事、デザートまでおおよそ8品が登場する、おまかせコースは5400円から。

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2019-01-01
百花騒鳴

百花騒鳴

36 始まり

年が明けた。新しい時代がやってくる。激動の世の中も、健やかに生き抜くため…いや、そんな大層な志なんて、これっぽちもなく…デニムをスリムに履きたいという、陳腐な願いのために、この冬始めたことがある。夜な夜な、某所を巡るサイクリングだ。
スポーツバイクにまたがり、トレーニングウェアで疾走するといったカッコいいものではない。近所に住む幼なじみとともに、夜が更けると普段着のまま、ママチャリを漕ぎ出す。防寒のために被る幼なじみのニット帽は、モスグリーンでひさしが付いている。「北の国から」の五郎さんみたいだ。並走する私は、膨れた黒いダウンジャケットに、モコモコズボン。たっぷりと肥えたヒグマのようだ。そんな、「北の国」ファッションをまとったオバチャンたちが、同じ所を何度も周回する。運動神経も近ごろ退化傾向にあるため、走る姿にキレがない。怪しさこの上ない。
今回のプライベートジムの取材で、スタイル抜群のインストラクターを見て感じたことだが、もしかすると元々の骨格や肉付きにより、努力では贖えないモノがあるのではなかろうか。そんな悲しい現実に気づきつつも、オバチャンたちは、自らのスタイルアップを信じて、今日もペダルを漕ぎ続けている。通りすがり目に入る、焼き芋のセルフ販売の誘惑と戦いながら。

明けましておめでとうございます。
年明け最初の一冊をお手にとり、最後までお読みいただきありがとうございました。
本年も編集部一同、素敵な情報を皆様にお届けして参ります。
ご愛読のほど、どうぞ宜しくお願い致します。
それでは次回、桜花の咲き誇る春にお会いしましょう。

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2018-11-11
満足感が高くて、食べ飽きない素材を感じるスイーツ

エブリデイ12

everyday cake shop.

近ごろ新店舗の出店が続き賑わいを戻しつつある清水銀座商店街。その一助を担っている小さなケーキショップ。everyday cake shopという店名にうかがえるように、「毎日食べても食べ飽きない、肩ひじ張らない」がコンセプト。安心して食べ続けられるようにと、トレーサビリティにも気を配る。大人気のアップルパイや甘さ控えめのクッキーなど、食べ応えのある焼き菓子が豊富。季節ごとにラインナップの変わるマフィンは、バナナとキャラメルや、宇治抹茶と黒豆、イチゴとクリームチーズなど、素材のコラボレーションがユニークで、スイーツ好きのファンの満足感を満たしてくれる。クリスマスケーキは、ショートケーキ、チョコショート、フルーツタルト、ベイクドNYチーズケーキ、ガトーショコラ、キッシュなどを用意。11月中旬から電話やLINE@にて予約受付開始。

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2018-11-11
味のあるイッピンに出合う

コザイク31

コザイクラボ

静岡市の郊外にある年季の入った倉庫に、所狭しと並ぶのは、北欧をはじめとするヨーロッパ諸国のアンティーク、アメリカンヴィンテージ、ジャパニーズレトロ、デザイナーズ家具など。時代やジャンルにとらわれない一品モノに出合えるショップ。状態の良いものを、国内で仕入れることにより、物流コストが抑えられ、相場よりもリーズナブルな価格で提供している。飲食店やアパレルショップなど店舗什器としての使用も多く、インテリアや住宅のプロも通うほど、品物が充実。広い倉庫の中を、じっくりと見て歩けば、お気に入りのアイテムを見つけられるはず。日常使いができるよう、メンテナンスもしっかりと施されているが、もしもの場合は無料修理も対応してくれる。また不要になった家具、インテリアの買い取りも行う。

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2018-11-11
世界の要人たちが愛した、京のおもてなしの味

つるや10

日本料理 京都 つる家

本店である「岡崎 つる家」は明治41年に大阪は北浜の地に創業。「和の迎賓館」と謳われる「京都 つる家」の誕生は、昭和3年。京都御所で行われた昭和天皇の即位の大礼に際し、入洛する賓客の宿泊、食事の奉仕を担ったことに由来する。その後、京都迎賓館が開業するまで、70年余りに渡り、皇族や世界の要人たちを迎えもてなしてきた。「万事、控えめにすること」の精神を受け継ぎながら。

その心を大切に、ホテルアソシア静岡 日本料理 京都 つる家が、9月にオープンした。しっとりと落ち着いた雰囲気でありながら、和やかに食するひと時を楽しめる、温かみのある店内。接待や慶仏事のフォーマルなシーンにも、気の置けない友人とのフランクな集まりにも利用できる。ここで料理長を務めるのは、静岡出身で、名古屋マリオットアソシアホテルで副料理長を務めた齊藤祐輔さん。全国にある姉妹店の中で最年少の料理長だ。本家、京都で培った料理に対する精神「いい素材に手間暇をかけるが、上乗せしない。素材そのものの美味しさを引き出す」を主軸にしながら、気軽に味わえるような工夫もしていきたいと意気込む。

「いい素材」とは、皿を彩る食材だけを指すのではない。出汁、醤油、味噌、油の一滴にまで、気を配る。特に出汁は、全ての料理の味を決める。利尻昆布、血合いのない厳選したマグロ節、カツオ節を、雑味の出ない絶妙なタイミングを計り、黄金色に輝く旨味を見事に抽出する。このこだわり貫いた料理を、意外にも手の届きやすい価格で提供している。ランチの「レディース会席はんなり」は、小鉢、お造り、吸物、揚げ物、八寸、水菓子などが付いて2800円。夜のコースは4300円から用意がある。また、フリードリンクが付いた忘新年会プランは6000円から。個室も完備している。大切な人と、生粋の京料理を堪能してみては。

 

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2018-11-11
上質な眠りが、明日の体調を作る

フランスベッド15

フランスベッド静岡ショールーム

来年で70周年を迎える「フランスベッド」。質の良い眠り=健康づくりという観点から、眠り、寝室環境を長年に渡り研究。日本人の骨格や体型、気候に合ったベッドや寝具を追及し続けている。その研究から生まれたのが、「高密度連続スプリング®」のマットレス。一本の鋼線を連続して編み上げることで、高い安定性を発揮、体圧を曲面で受け止め、自然な寝姿勢を保つ。自然な寝返りもサポートすることで、睡眠の質を向上させる。

そんなフランスベッドの製品を試せるショールームが、静岡県内に誕生した。160坪以上ある広々とした店内に、機能や構造の異なる45種ほどのベッドが並ぶ。

中でも注目したいのは、国内初となる女性向けの美しくなるベッドシリーズ。植物由来の繊維「リフレス®」が、眠っている間に、しっとり肌に潤いを与えながら、余分な湿気をコントロールしてくれる。同繊維を使用した、掛け布団カバーやマットレスカバー、ピローなどの寝装品も揃い、トータルで潤いを保つ眠りをサポートしてくれる。この他、JR東日本が誇るクルーズトレイン「四季島」に採用されたマットレス、TRAIN SUITE四季島モデルや、医療・介護の分野で培った技術を生かし、眠る人の快適性を高めた電動リクライニングベッドなど、多彩な製品を試すことができる。価格帯は10万円以下のリーズナブルなモデルから、100万を超える最上級品まで、幅広く揃っている。

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2018-11-11
美しさにため息の漏れる、完璧なシルエット

松永工房01

松永工房

今回の表紙に登場した松永工房のショールーム。倉庫を改装した広々とした空間に、高級家具の数々が展示されている。全国に根強いファンを持ち、遠方から足を運ぶ人も多いという。その人たちのお目当ての一つは、ロングセラーのクラシカルな猫脚家具。西洋の童話に登場しそうな情緒的なフォルムは、女性たちの憧れをカタチにしたもの。デッサンを何度も繰り返し思索したデザイナーの空想力と、手彫りの彫刻や、華奢なラインを生かしながら強度を保つという、職人の卓越した技術が、理想的な美しい家具に仕上げている。また一方で、シャープなラインが際立つモダンシリーズも、ファンからの熱い支持を受ける。「作り手がかっこいいと感じる物を作ろう」という思いから生まれ、スポーツカーやアニメのメカニックデザインがモチーフになっている。オリジナルの金具を開発し、シルエットの角度にとことんこだわり、ディテールを計算し尽くすことで、これまでの家具には無かった立体感を出すことに成功した。家具を照らす光の角度により、浮かび上がる陰影が、未来的でとても美しい。

松永工房の家具は、どれを取っても「美しい」という形容詞がよく似合う。静岡の静かな郊外で、こんなにも美意識の高い家具が生み出されていたなんて…初めて目にする人は、きっとそんなふうに驚き感動することだろう。

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2018-11-11
百花騒鳴

百花騒鳴

35 注連飾り 

いつまでも猛暑が続いたせいで、うっかりしていたが今年も残り2ヵ月を切った。どこからともなく年の瀬の空気が満ちてくる。この時期になると思い出すのが、祖父の注連飾り作りである。土間にゴザを敷き、達磨ストーブの側で、夜な夜な注連縄を編んでいた。そのお飾りは、玄関はもとより、台所、トイレ、車庫、自動車など、ありとあらゆる物に括り付けられる。そして、田舎の習わしとし1月6日の夜に外される。

一族の末席である、私の持ち物も例外を許されない。通学用の自転車も、その対象だ。センシティブなお年頃となった中学生は、お飾りを付けられた自転車を濃いで、学校へ向かうことに抵抗があった。私の他に誰ひとり、そんなものを付けている生徒はいないからである。しかしながら自分勝手に外し、何か障りがあってはいけないとの思いもあり…、学校中の視線を集めるのは承知で、注連飾りを風になびかせ、堂々と走る以外は無かった。

ただ、その年度の夏休みの自由研究で、私は何故か仏教関連のレポートを、巻物風に拵えて提出していた。それは先生方に好評で、校内展示がされた。年が明けても、周囲の記憶に残っていた。そこへきて、注連飾り自転車の登校である。同級生たちは、思ったという、「アイツ、やべ~奴」と。

 

今年の最終号となる本誌の最後までお読みいただき、ありがとうございました。

皆様のおかげで、一年間、無事に制作を行うことができました。

次回の新年号は、新たな気持ちでスタート致します。

めでたき年明けにお会い致しましょう。

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2018-09-08
一口で消え去る小鉢に、職人の心が宿る

北條05

北條

わざわざ行く価値のある一軒。山梨県へ向かう国道52号線沿いに建つその屋敷は、目の前を鮎釣りで有名な興津川に流れ込む清流が流れ、屋敷の裏手には緑の深い山がそびえている。自然の中に溶け込む佇まいは、元々この土地にあった築70年超える建物の一部を再利用している。しっとりとした室内の雰囲気に、料理への期待も自ずと高まる。ここで腕を振るうのは、ご主人の北條文之さん。京都の老舗や静岡の名店・海さかで修行を重ねた経験を軸に、日本料理の基礎を守りながら、食材の特性を生かした調理を施していく。小鉢に盛る細やかな一品さえ、手を抜かない。香ばしく焼いた〆鯖の解し身と合わせるのは、2時間かけて臭みを消し甘味を引き出した粗めの大根おろし。歯切れのいいカキノキダケと軸ミツバが食感と香りを添える、〆鯖のみぞれ和えが出来上がる。三口ほどで食べ終え消え去っても、舌と心にしっかりと刻まれる。

これからの季節は、山の素材も海の素材も味わいを増す。ぷっくりと身を太らせた落ちアユ。浜名湖産のスッポン、遠州産のトラフグ…要望に応じて、各地の旬の素材を用意し、技の光る料理を提供してくれる。なかでも近頃常連に人気というのが、注文を受けてから開く鰻料理。地焼きか蒸し、こってりとした甘タレか、キリっとした辛タレかを選ぶことができ、好みの味で鰻を堪能できる。鰻御膳は3,800円(価格変動の可能性あり)、鰻を含むコースは5,500円から対応可能。その他、昼席は2,500円から、夜席は4,500円から。

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2018-09-08
旬の果実を閉じ込めた、特製クリームチーズサンド

ルソマサンド02

RusomaSAND

お土産やギフトにも喜ばれそう!見た目も可愛らしいサンドイッチ。今後人気を呼びそうな予感のこの品は、9月に発売さればばかり。毎日数量限定で販売している。オーナーの子どもの頃の思い出の味を再現しているとか。オリジナルの特製クリームチーズホイップが、旬のフレッシュフルーツを優しく包む。ふんわりとした口当たりで、甘さ控えめ。生クリームホイップよりも、軽やかな風味だから、ボリュームがあってもぺろりと食べられそう。

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