No.39

2019-11-14
ノスタルジックな時が流れる。毛糸と珈琲の店

秋山-16

秋山毛糸店

いまでは数少なくなった毛糸店。年季の入った店舗は、とても懐かしく温かい気分になれる。木製の陳列棚には、ちょっと珍しいシリーズも。KFSのオパール毛糸は、一本の毛糸をメリヤスで編み進めるだけで複雑な模様が出来上がる。ソックスやネックウォーマーなど、カラフルなアイテムが完成する。この他、肌触りのいい希少なベビーアルパカなど、1玉300円~1,500円程度のものが並ぶ。その対面には、カフェスペースが。市内で評判の焙煎士たちが作る、美味しいコーヒーが楽しめる。店内では月に1度、ワークショップを開催。コースターやエコたわしなど、テーマを決め半日程度で作品を完成させる。少人数制なので、編み物の基礎がしっかりと学べる。11月はネックウォーマーに挑戦する予定。詳しくはSNSで告知する。

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2019-11-14
心が満たされ会話が弾む、極上の食卓

ロサブラン-8

Rosa Blanc ロサブラン

アーチ型のエントランスをくぐってチャイムを鳴らせば、笑顔が魅力的なマダムが出迎える。ハイソな住宅街に佇む邸宅スタイルのレストランだ。友人宅で催されるホームパーティーのように…大人だけに許された極上の時間が味わえる。白が基調の優しい陽のさすリビングでは、さりげなく配された現代作家の作品とアンティークが調和する。二つの庭に面し、南の庭では春に大きく育ったツルバラが、優雅な花をつけ芳香を放つ。少し季節が進めば、中庭でヤマボウシが白く可憐な花を咲かせる。コンセプトはFood and Something。食事だけではなく、自然やアート、仲間との時間…それぞれのsomethingが楽しめる場所。振る舞う料理は、オーナー阿部弘美さんが20年以上作ってきた家族の好物。家族で食卓を囲んで過ごした幸せのレシピ。代表的なメニューは海の幸のパエリア。かつてスペインで食したパエリアの味を再現した。鶏ガラや玉ネギ、ニンジン、セロリなどを煮込んでブイヨンを取る。香ばしく焼いた海老にワタリガニ、ホタテ、アサリなどを入れて炊き上げる。得も言われぬ魅惑的な匂いを立ち上らせながら、キッチンより登場する。口に運べば全ての素材の旨味を閉じ込めた米の美味しさに感動。パエリアの概念を覆すに違いない。またミディアムレアでいただく、ランプのステーキも好評。おろしわさびに醤油のシンプルな味付けが、ヘルシーな肉の魅力を最大限に引き出す。この秋からはロングフレッシュタイプのワインセラーも整った。料理とのペアリングも楽しめる。ランチの予算は2,000円~。ディナーの予算は4,000円~。メニューなどの相談、予約は電話またはショートメールで受け付ける。

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2019-11-14
二人のプロがもてなす 笑顔と幸せを呼ぶイタリアン

ルフィナ-20

イタリア料理 ルフィナ

車の行き交う街道沿いにあるというのに、店内に入ると不思議と寛いだ雰囲気になれる。それは、オーナーシェフの柿山聡さんと、ソムリエの二本松主水さん、気さくで気取らない二人の、ゲストに対するさり気ない心遣いが満ちているからのようだ。柿山さんは、神楽坂の有名店「カルミネ」のカルミネ・コッツォリーノ氏と、西麻布の「リストランテ アルポルト」の片岡護氏に師事。アルポルト静岡で9年の料理長経験を経て独立した。おおらかで、素材の力強さを生かす、トスカーナの家庭的な雰囲気を持つカルミネ氏、繊細な感性と上品さ、行き届いた気配りを大切にする片岡氏、両氏から学び感じたことを、自身の店舗に反映させている。オリーブオイル、バルサミコ酢といった調味料や乾物など、イタリア産の最上級な品を使い、下処理には時間を掛け、細やかな部分にまでしっかりとこだわるが、それを食べ手に押し付けない。「難しく考えず、店で過ごす時間を心から楽しんで欲しい」と語る。

ソムリエの二本松さんは、目黒の「ランテルナマジカ」、白金台の「リストランテセンソ」などで店長を務め、ホスピタリティやワインについて学んだ。柿山さんの作る料理に合うようにセレクトするワインは、イタリア各州のもの。夏の料理には地中海に面した暖かな地域の銘柄を、冬の料理には北部の銘柄を…といった具合に、季節や料理、テーブルの雰囲気などに合わせて、最適なワインを提案してくれる。

高い経験と実力を備える二人が互いを思いやり、料理とワインが芯から寄り添う。それを味わうゲストにとって、最高の時間になるようにと心を込めて提供する。集う人への優しさに包まれた店なのだ。

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2019-11-14
高気密住宅に対応、スタイリッシュな都会派ストーブ

ストーブシティ-1

ストーブシティ静岡

薪ストーブの専門店「フャイヤーライフ静岡」は、都会でも使える薪ストーブをコンセプトに「ストーブシティ静岡」へと店名を変更。高気密、高断熱である現代の住宅でも、安心して使うことができる高性能なモデルを取り扱う。その特徴は、高い気密性。本体の遮蔽が完全であるため、室内空気に依存せずに燃焼する。わずかな薪から、最大限の炎を引き出し完全燃焼。その姿は大きなガラス窓から楽しめる。完全燃焼で煤が生じないため、ガラスはいつでも美しい状態を保つ。暖房効率も良く、薪の消費量は従来製品の約1/3程度。背面や側面の熱を放射せず、壁工事を行わなくても設置が可能。オプションで薪棚を加えたり、煙突を隠し、よりインテリア性を高めることもできる。11/30~12/1まで数百枚のギャッベを集めた販売会を催す。「温もり」を楽しみに訪れてみては?

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2019-11-14
考えて味わう、新感覚の炭火フレンチ

シンク-21

SUMIBI FRENCH SINQ

モダンな設えの中に、スーっと伸びる国産のタモ材の一枚板が印象的。この幅広のカンター席に座れば、厨房の様子がつぶさに分かる。ここで供されるのは、ライブ感のある炭火フレンチ。オーナーシェフの保崎慎吾さんが、自らの足で探し求めた生産者の顔の分かる地元食材を、紀州の備長炭を使って大胆かつ繊細に、独自スタイルのフレンチに仕上げる。「寿司屋のカウンターのように、美味しさが最高潮の出来たてを味わって欲しい」という。例えば、秋から旬と言われる鹿肉。持続力のある高温を放つ炭火が、しっとりと柔らかく焼き上げてくれる。味付けはシンプルに、能登の藻塩やマダガスカルの胡椒、自家製の黒ニンニクのピューレなどを付けて、いただく。他の料理では、使用する調味料が独創的だ。生茶葉、生山椒の実、マッシュルームなどを乳酸菌発酵させ、自家製の発酵調味料を作っている。それらはソースや隠し味として使われるから、誰もが想像しがちなフレンチ料理とは一線を画す。「この食材は何?この香り、この風味は?」なんて、食べ進める毎に、自然に五感が研ぎ澄まされ、料理へと意識が集中していく。店名の「SINQ」にも、その思いが隠されている。シェフの名、慎吾と、考えるという意味のthinkを合わせているのだ。私の暮らす身近な地域に魅力的な食材が数多く、それが調理法次第でいかようにも変化するということを、調理工程を見ながら、ゆっくりと味わい感じ入ってはどうだろう。昼は4,500円、6,500円、8,000円。夜は6,000円、8,000円、10,000円。

 

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2019-11-14
百花騒鳴

百花騒鳴

38.燃焼

これまで、何度かスポーツジムに通ったことがあるが、うまく活用できたためしがない。トレッドミルで何となく歩いて…、どこの筋肉に効いているのか理解しないまま、簡単に使い方を教わった筋トレマシンを動かす。運動した気になって、食欲という誘惑に負ける。そんなことを繰り返すから、効果の実感が湧くはずがない。ジムとは自分を律することのできる、目標に向かって実行する猛者たちが通うことを許される道場だと思うようになった。
しかし、今号で紹介した「オレンジセオリー」。運動後も続くカロリー消費「アフターバーン効果」なるものが味わえるということで、無料体験を予約した。コーチの話を至極簡単に解釈すると、高い心拍数の状態を一定時間維持できれば、最大で36時間のアフターバーンが可能だという。「息の上がる状態で、運動すればいいんでしょ」と曲解した私は、体験を待たず、自分で息の上がる運動に挑戦することとした。名付けて「ママチャリダッシュ」である。近所に住む友人と、夜道を自転車で疾走する。すれ違う人たちから見たら、「はぁはぁ」言いながら暴走する怪しいオバサンに思われたかもしれないが…、額に汗が滲み、なかなかの達成感を味わった。
「これ、いいんじゃない。痩せるね~」
後日、本家のアフターバーン体験に参加した。違った。全然違った。「ママチャリダッシュ」は、アフターバーンなんて起きちゃいなかった。考えつくされた60分のトレーニングは、緩急のリズムで行う。コーチからの的確なアドバイスに、筋トレの疲労感も、発汗量も、心拍数も、味わったことがない未知の域へ。超運動した!齢40を過ぎて、こんなに必死な顔にならないだろうというほど、動いた。これこそが、本物のアフターバーンを起こす運動というわけかと悟った。そのアフターバーンが、鈍りきった体にどんな影響を及ぼすのか、これもまた未知だが…いつか返信するときを夢みて、ジムで少しばかり張り切ってみようという気になれた。

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