No.35

2019-03-12
狩野川の畔に建つ中伊豆の名宿「嵯峨沢館」

嵯峨沢館62

嵯峨沢館

月ヶ瀬ICを降りて数分。木立の間に「嵯峨沢館」の看板が見えてくる。案内に沿って敷地を進むとしっとりとした雰囲気のエントランスが現れる。清流の流れる自然に囲まれた和風情緒に満ちた宿は、その佇まいから創業90年という老舗の風格とホスピタリティの高さを十分に感じさせる。

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2019-03-12
皿をたたえるは、渾身という隠し味

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味楽 一歩

JR静岡駅の南側、静かな通りに灯りをともすのは、食通たちが通う店「一歩」。夕方のオープンに向け、早い時間から親方、金澤さんの仕込みは始まる。「とにかく凝り性」という金澤さんは、独学で様々な調理法を探求し、高い技術を身に着けてきた。そのこだわりと独自性は、先附の小鉢からも容易に伺える。例えば、春の香りがのぼる松前漬けは、それぞれ丁寧に下処理を施した食材が絶妙に調和する。ノビルの辛味、サワラの旨み、ツブ貝の甘みと食感、サクラマスの上品な脂が、五味を感じさせるとともに、異なる素材が生む一体感を楽しませてくれる。

一見、和食の代表的献立とも思える擦り流しは、食して驚く人が多いことだろう。コクのあるタラの白子と合わせるため、新玉ネギとカブを滑らかにすりおろしクリームを少量効かせている。シチューのようにマイルドでクリーミー。野菜のコクと旨み、出汁の風味が優しく後から追いかけてくる。

また春の食材として、常連たちが待ち望んでいるのは、網走から届くキンキの煮付け。肥えた身に上質な脂をたたえている。これをふっくらと、トロ~り甘めに煮付けている。白米にも、日本酒にも、良く合う。

どれを食しても感嘆のため息が漏れそうな料理は、アラカルトで楽しむことができる。コースは5,000円から用意可能。

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2019-03-12
クルマとの会話を楽しみながら、未来型ドライブを体感

ベンツ01

メルセデス・ベンツ東名静岡

「ハイ!メルセデス」エンジンをスタートさせて、クルマに呼びかける。普段の会話のように話しかけるだけで、エアコンの温度調節や目的地検索などが簡単に操作できるnew A-Class。センターコンソールのタッチパッドでは、指先でセレクト、スワイプ、拡大が可能。スマートフォンのように、様々な操作が直感的に行える。さらに、スマートフォンとつなぐことで、クルマから離れたところにいても、施錠状況が確認で、施錠、開錠も可能に。専用アプリでは、駐車した車両の位置を地図上に表示してくれるから、大きな駐車場や旅先での不慣れな土地で駐車した時にも安心。

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2019-03-12
思いを伝えるキュートなアイシングクッキー

ブルーム02.

sweets atelier bloom

結婚式のお祝いや、引き出物、サンクスギフトなどブライダルアイテムとしてはもちろんのこと、誕生日や入学祝いなど色々なお祝い事、イベントに贈って喜ばれるアイシングクッキー。オープンしたばかりの専門店「スイーツ アトリエ ブルーム」では、「見た目も可愛らしく、食べても美味しい」にこだわり、贈り主のリクエストに丁寧に応えてくれる。デザインや数量によりオーダーから1週間~2週間で完成。また「アイシングクッキー教室」も開催している。焼きあがったクッキーが用意され、描き方や修正の方法といったテクニックを教えてもらえる。参加費用は1回3,500円で、大小5枚ほどのアイシングクッキーを作成できる。

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2019-03-12
あけぼの色に染まる雲海に出合う

トマム82

星野リゾート トマム

丘珠空港から約2時間のドライブで到着したのは、北海道最大級の滞在型リゾート、星野リゾート トマム。「ザ・タワー」と「リゾナーレ トマム」の2つのホテルを中心に、広大な敷地にアクティビティ施設が点在する。四季を通じて、様々な楽しみ方があるが、春から秋に多く発生する、早朝の美しい雲海は必見。

 

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2019-03-12
百花騒鳴

百花騒鳴

34.花吹雪

菜の花にミモザ、早咲きの桜と、至るところで花々に出合う。
ソメイヨシノが咲き始めれば、春本番。
淡い可憐な花が、一つ二つと咲き始める姿も、大樹に薄衣をまとったような満開の様子も、どちらも美しい。
我が家の前にも、大きな桜の木が育っている。今年もたくさんの花を咲かせることだろう。
この木が花をつける時期になると、思い出す光景がある。娘がまだ幼稚園児だったころのこと、庭先で遊んでいた彼女は、両手を高々と上げ、クルクルと回り始めた。風に舞う花びらの中で、踊っているように見えた。親バカである。「まぁ、可愛らしい~」と微笑ましく思った。
しかし、次の瞬間、母は不安を覚えるのであった。
「アハハハハ~、この花びら、ぜ~んぶ札束だったらいいのにな~」
まだ世間を知らないはずの未就学児に、一体何があったのであろうか。
母は娘に、カネにまつわる話をしていたであろうか? 無垢な心に、何かを植え付けてしまったのだろうか? と自問したものだ。

あれから十数年。彼女のカネに対する思い入れは、元来備わった性分ではなかろうかと思うことがある。
ある時、彼女が部屋で、貯金箱の奏でるチャリンチャリンという音を聞きながら、ニヤついていた。それを見届けた私は、何も言わず…そっと、部屋の扉を閉めた。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回は、青東風の爽やかな五月にお目にかかりましょう。

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