No.21

2016-12-05
ハイカラな小紋を、さらりと着こなす

umechiyo

梅千代

静岡市のおしゃれエリア鷹匠に店を構える、スタイリッシュな呉服店「梅千代」。白を基調とした明るい店内は、アパレルショップのような雰囲気で入りやすい。

綿素材のカジュアルでポップなものから、古典的でモダンな小紋まで様々。「着物を着る心得。人生を豊かにするヒント」を伝えたいというオーナーの長谷川和代さんは、全国各地を訪ね歩き、独自の仕入れルートを開拓、オリジナルブランドも展開する。質の良いもの、職人の技の光る一枚を、リーズナブルな価格で提供している。これからのシーズンは、ちょっとしたお出掛けから、華やかなパーティーまで幅広く活躍する、飛び柄の小紋がおすすめ。クラシカルな柄に、時流を取り込んだコーデが、さりげなくセンスアップした印象にしてくれそう。

店舗の一角では、着付教室も開催しているから初心者でも安心。体験レッスンは1500円(持ち物不要)。基本着付コース(全8回コース)1回2500円(持ち物は、着付け用の小物のみ)テクニックだけでなく、所作から丁寧に習うことで、自分らしく心地よく着られるようになるそうだ。

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2016-12-05
昔から変わらず人気のメニュー、和牛のホホ肉柔らか煮

moizumi

monsieur MOIZUMI

静岡フレンチの重鎮ともいえる茂泉三男さんは、フランス各地の星付きレストランや、スイスの老舗ホテルのオードブル主任を務めるなど華麗なる経歴を持つ。

シェフが繰り出す料理は、伝統を重んじながら、時にダイナミックで、時に繊細な和の心を感じさせる。おすすめは、仙台和牛を使った牛ホホ肉の柔らか煮。肉の繊維が柔らかく解れながら、じんわりと甘味と旨みを蓄えたジュースが口の中に広がる。ランチであれば、前菜6品盛り、スープ、パン(ライス)、デザート、コーヒーが付いて2300円。

またクリスマスディナーも開催(12月20日~26日)。前菜、カルパッチョ、フォアグラのソテー、活オマール海老のアメリケーヌソース、カモのロースト、デザートなど贅を尽くした構成で8640円。

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2016-12-05
暖房器具だけで終わらない 炎は美しいインテリア

firelife

ファイヤーライフ静岡

世界で愛される薪ストーブのトップブランド「スキャンサーム」。アントニオ・チッテリオなど著名なデザイナーと作り出す、美しいフォルム、炎を魅力的に見せる設計が、高い評価を生み、「デザインストーブの最高峰」ともくされる。現代のスタイリッシュな住宅にも、モダンな和室にもよく馴染み、インテリアとしての価値も十分。一方で、機能的にも優れている。室内を素早く温め、持続する。少ない薪で長時間過ごすことができるため、省エネ、暖房費の節約にもなる。また燃焼効率も高く、煙も気にならないから、住宅地での使用にストレスがない。

既存の住宅への取り付けは、工事期間は3日ほど。販売店の「ファイヤーライフ静岡」では、薪調達のサポート、販売も行っているので、燃料の心配も不要。

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2016-12-05
イタリアを慕う二人が紡ぐ 一途な料理

castagno

イル・カスターニョ

少しだけ静岡市の中心地を外れたところに店を構えるイタリア料理店「イル・カスターニョ」は、開業からもうすぐ12年になる。町の人に愛されるレストランであるために、オーナー夫妻は、ゲスト、素材、料理、ワインと正直に向き合い、店づくりを丁寧に続けている。ご主人のシェフ稲見謙司さんは、地元の農家から直接野菜を仕入れ、漁港にも足を運ぶ。生産者や船主など、素材の一番近い場所にいる人たちと、色々な話をしては調理法、メニュー構成に生かす。ソムリエールである由香夫人は、謙司さんが繰り出した料理、キッチンでの様子を察し、最適なワインを見立てる。また店で供されるドルチェ、ビスコッティ、パンも、彼女がイタリアの郷土料理本などからヒントを得て作る。

二人は数年に一度、謙司さんが4年間修行を重ねたイタリアを訪ねる。長期休暇で日ごろの労を労いながら、自分たちの原点を再確認する旅だ。多様な特色を持つ国土から、訪ね歩くエリアを限定し、ハムやチーズなど食材の生産者を訪問する。また地元の人で賑わう食堂に身を置き、教会や街並みなどを見聞しては、自分たちの求める店づくりの手がかりを集める。

謙司さんは、「イタリア人にとって、レストランで時を過ごすことは、出かける前の服選びから始まる。そして店の人とゆっくり語らいながらワインを選び、料理が出て来るまで、会話をしながらくつろぐ。その様子を見て、美味しいものを仲間や店の人と共有するって、とても贅沢な一時だと感じた。当店でも、お客様にとって日常を彩る幸せな時間を提供できたら…」とまっすぐな瞳で語った。

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2016-12-05
悩みをカバーしながら、 冬のトレンドをプラス

1001

1001

木立に小鳥がさえずる青葉公園沿いに建つサロンは、グリーンのアンティークなドアが印象的。このドアは開いていることが多く、ひょっこりと覗いてみたくなるほど、気さくな雰囲気が屋外まで伝わってくる。中へ入ると、スタイリストのmasaさんとmizukiさんが、穏やかな笑顔で出迎えてくれる。

masaさんは、丁寧なカウンセリングで、ゲストの悩みや要望を聞きだし、理想のスタイルに近づくためのアイデアを提案してくれる。髪の状況や解決策を分かりやすく説明してくれるため、初めてでも安心できる。英国VidalSassoonAcademyで培った技術をもとに、骨格、髪質、毛量、生え方などすべてを計算、ゲストの要望にトレンドをプラスしてカット。バランスが良く、美しく見せるスタイルに仕上げてくれる。ヘアケアマイスターの称号を持つmizukiさんは、健康的で透明感のあるカラー、乾かすだけでまとまるナチュラルスタイルを得意とする。

冬にかけては、重量感のあるファッションが多くなりがち。トレンドのボリューム感を出しつつ、ふんわりと動きのあるアレンジがおすすめだという。「やり過ぎないのに、しっかり可愛い」大人が求める理想をカタチにしてもらってはいかがだろう。

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2016-12-05
百花騒鳴

百花騒鳴

20、炎

季節的なこともあり、今回は「炎」にまつわる取材撮影が重なった。「星のや 富士」では、施設の象徴である焚き火ラウンジで、四十過ぎのおばさんたちが無邪気な時を過ごした。焼マシュマロを作り、キャッキャとはしゃいだ。「ファイヤーライフ静岡」では、計算された炎の美しさに魅了された。火を見たさに、そんなに寒くもない日中、たくさん薪をくべてもらった。人柄のいい桜井社長に甘えて、何度も薪のおかわり。カメラのRには、「ちょっと、目がイッちゃってるよ!」と注意を受ける始末。私は、「炎が好き」である。あ、誤解なきように…

私と炎の親密な関係は、幼少から始まる。大人たちが吹かすタバコに憧れていた不良幼稚園児は、ある時良からぬことを閃いた。お絵描き帳をビリっと破ると、小さくクルクル丸めた。そして口にくわえ、ライターで火を着けた。ゆっくりと燻ぶる炎を想像していたおバカ園児。優雅に「プハ~」と一服を期待したが、炎はメラメラと一気に燃え上がった。
「熱ッ、わわわわわ」
大慌てで、煤になった紙を払いのけた。「おお、驚いたぜ! 危うく火事になるところだった。また母ちゃんにお仕置きされるところだったぜ」と肝を冷やした。

だが、喜悲劇はこれで終わりではなかった。燃えカスを捨て、証拠隠滅を図ったのだが、気づくと細かなカスが自分の周りに広がっている。せっせと集めて捨てる。「よし! 完璧」と思うと、また落ちる。こりゃなんだ? と周囲を見渡す。すると、カスはふわりふわりと頭上より振ってきた。いよいよ訳が分からない。あれ? あれ? と慌てているうちに、母がやってきた。
「あんた、その頭どうしたの? 前髪燃えちゃったの?」
カスは、燃えた前髪だった。

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