back number

2019-07-10
「粗挽十割」の固定概念が覆る

庵01

石臼挽き手打ち蕎麦 庵 ひをり

この蕎麦を食して、あなたはどのように感じるだろうか。蕎麦に魅了された店主、五島貴幸さんが、美味しい蕎麦を打ちたいという信念から始めた「庵」の蕎麦は、個性の塊だ。「味の8割は素材で決まる」と有機JAS認定を受けた玄蕎麦「会津のかおり」の中でも生産者を限定。惚れ込んだ玄蕎麦を、独自の理論に則し石臼で挽く。水の量も、打ち方も、切った後の熟成も、試行錯誤から導き出した。大切にしている事は、固定概念にとらわれず、食して美味しければいいという事。
一日4食限定の極粗挽十割は、まずは一口、添えられた沖縄の塩をつけて啜って欲しい。少し太めの無骨な見た目に反し、ツルりと口の中に滑っていく。舌触りはなめらかだ。噛むと一気に強い風味が鼻を抜ける。大胆で繊細。蕎麦の持つ本来の旨みを、余すことなく享受できる。五島さん自身も好みだと語る粗挽十割は、極粗挽よりも少し丸みがある。熟成された蕎麦の風味を素直に楽しめる。ここに、富士宮で採れたセリをサッと湯にくぐらせのせる芹蕎麦も外せない。セリを蕎麦と絡めて、甘めの汁に付けて啜る。ほろ苦いセリと力強い蕎麦の風味が一体型する。静岡ではなかなかお目にかかれない、独創的な蕎麦を一度試してもらいたい。

Posted in back number, No.37 | Comments Closed

2019-07-09
豊かな色彩は、手をかけた証

トワクルール16

Les trois couleurs (トワクルール)

今、勢いのある料理人の集まるエリアがある。再開発の進む静岡 七間町、人宿町界隈だ。魅力的な新店舗が続々とオープンしている。フレンチレストラン「トワクルール」もその一軒。店名は、フランス語で三原色を意味する。同店にとっての三原色とは、赤、黄、青…色彩豊かな食材が皿を染むことでもあり、個性の異なる食材が合わさり新たな色=味を生み出すことでもある。一例がサラダである。トマト、ビーツ、白ウリ、マッシュルーム、ゴボウ、レンコン、オクラ、バナナ、アーモンドなど25種以上を、素揚げや茹で、ローストなど素材によって調理法を変え、一皿に盛る。シンプルながら手の込んだ圧巻の一品だ。ステーキでは、赤身の鮮やかさに注目して欲しい。国産のランプ肉のステーキは、オーブンに入れては出しを繰り返し、40~50分かけてゆっくりとじっくりと中まで火を通していく。そのため、肉にストレスがかからず、しっとりと柔らかく仕上がる。芯まで火入れされているのに、赤の発色が見事。クセのない、あっさりとしてジューシーな味わいに、ランプ肉とは気づかないかもしれない。また、ステーキと肩を並べる人気メニューに、国産牛の赤ワイン煮込みがある。4時間ほどコトコトと煮込む。箸でも解れるほど柔らかく、けれど煮崩れていない。ここでも巧妙な火入れの技が生きている。
こんな繊細な料理と共にするのは、レアな日本酒なんていかがだろう。ファン垂涎の十四代や鍋島など静岡ではなかなか味わえない銘柄が揃う。ランチは2,500円から、ディナーは5,000円から用意がある。

Posted in back number, No.37 | Comments Closed

2019-07-09
木漏れ日のような優しい遠州織物

コッチ01

kocchi

伝統的な遠州織物の温かみに心ひかれたデザイナーが立ち上げた「kocchi」は、衣食住に寄り添った新しいスタイルを提案する。コンセプトは、「〇=月陽、△=森、□=海 月陽のヒカリは美しい森をつたい深い海へ」。自然の恵みと、それを脈々と受け継いできた遠州織物が織りなす物語を作品に投影。その作品は、どれも柔らかくて優しげ。パッチワーク・ストールは、綿、麻、ウール、コーデュロイなど、遠州で織られた風合いや異なる素材の組み合わせが魅力的。巻き方次第で様々な表情を見せる。華やかなチューカーネックレスは、軽くて長さ調節が可能。首元や帽子に巻き付けたり、ブレスレットにしたり幾通りもの楽しみ方がある。NDrive SHOP静岡マルイ店(静岡マルイ1F)、浜松SA店(東名高速道路 NEOPASA 浜松・下り)、駿府楽市などでも取り扱いが始まっている。

Posted in back number, No.37 | Comments Closed

2019-07-09
公園前の小さなタルトレット屋さん

ココ01

TARTELETTE COCO (タルトレット ココ)

静岡発のタルトレット専門店が常磐公園前にオープン。白く小さな店舗の扉を開くと、コロンと丸いタルトレットが出迎える。どのメニューにもたくさんのこだわりが。例えば、リンゴ。ふわっと軽やかな生クリームは、コクがあるのに後味がさらり。中には、小気味のいい歯ごたえを残した、シナモンの香りをまとったリンゴのコンポート。サクサクのタルトと主役の素材が自然に融合している。ティラミスはココアのタルトに、特製マスカルポーネクリームとほろ甘苦いコーヒーの層が重なり、イチゴの酸味がアクセント。あれもこれも食べたくなってしまう。ホールケーキのように丸く並べたら、バースデーにも喜ばれそう。閉店前に完売してしまうことも多いので、予約が安心。

Posted in back number, No.37 | Comments Closed

2019-07-09
色褪せない…価値ある一着

アートスケープ08

ARTSCAPE

「余白を大切に…、シンプルに…」そんな余裕を感じる大人の男性に向けた、スタンダードウェアをセレクトしている「アートスケープ」。素材や製法の良い物を探し求めたら、日本製にたどり着いたという。「ものづくり」の姿勢を大切にしているブランドを主に扱う。肌触り、着心地がよく、いつまでも飽きることのない、上質な服に出合える。例えば、国内産リネンの白いシャツ。繊維のキメが細かくフシがないため、なめらかでツヤがある。いい仕事を施した一枚であることが、見るだけで伝わる。けれど、お値段は13,824円と控えめ。基本は男性向けのラインナップだが、アイテムによっては女性でも楽しめそう。女性やカップルでの来店も多いとか。7月13日から夏物アイテムのセールを開催するので、出掛けみて。

Posted in back number, No.37 | Comments Closed

2019-07-09
百花騒鳴

百花騒鳴

36 夜中の撮影

旅にハプニングは付き物である。私とカメラのRが行く旅には、大小を問わず何かが起こる。今回は、阿蘇の草千里ヶ浜でそれが起こった。日中は放牧された馬が、広い草原で草を食む姿が見られる。夜になると、周囲に明かりがないことから満点の星空や天の川が見られる。インスタグラムでも投稿の多い人気スポットだ。我々もステキな星空を撮影すべく、夜遅く草千里ヶ浜へ向かった。しかし、その日はあいにくの曇り空。撮影ポイントには、我々しかいない。いくら待っても、雲は晴れそうにない。そろそろ帰ろうかと思っていたところに、勢いよく一台の車が走ってきた。ヤンチャそうな青年たちが数名、車から降りてきた。始めのうちは、何とも思わなかったが、ふと怖い想像が働いてしまった。民家のある市街地までは20キロほど離れている。叫んだところで声は誰にも届かない。110番をしても、到着まで1時間近くは掛かるだろう。こちらは中年オバサン2名、勝ち目はない。追い剥ぎされて、ボコボコにされても、助けてもらえるの明日の朝以降だろう。幸か不幸か性的な被害は心配していないが、カメラや、撮影したデータが奪われたら、百花壇にとって一巻の終わり。これは、早く退散せねばと、Rに「撤収!」と叫ぶ。空気を察して、Rにも緊張の様子が伺える。私はクルマのエンジンを掛けてスタンバイ。既にシフトはドライブに入れ、Rの片付けを待つ。後ろから、青年たちが近づいてくるのが見える。こんな時は、Rの行動がのんびりと感じられる。ようやくRがクルマに乗り込んだ時には、少年は直ぐ側まで来ていた。アクセルを踏む私。焦る私を他所に、律儀なA型のRが「ちょっと待って。コートをドアに挟んじゃった」と閉まっていたドアは再度開けたのである。元来せっかちでいい加減な私は、「後にして~!」と叫んだのは言うまでもない。青年たちよ、勝手に怖い輩だと思い込んで、すまない。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
この一冊を、夏の旅行にお役立ていただければ幸いです。
次回は、アキアカネが飛び始める9月にお目にかかりましょう。

Posted in back number, No.37 | Comments Closed

2019-05-14
毎日食べたい、世代を超えて愛されるスイーツ

フィル14

Patisserie fil (フィル)

藤枝バイパス薮田東ICを降りると、おしゃれな家が建ち並ぶエリア藤枝清里が現れる。その一角に、かわいらしい一軒家のパティスリー「フィル」がある。フランス語で「糸」を意味する。スイーツが人と人をつなぐ大切なものであって欲しいという願いが込められているとか。思いが詰まったスイーツは、どれも優しく食べ飽きない。ひとつ食べても、もう一つと手が出てしまう美味しさ。オープン以来、人気No.1は「ルージュ」。ピスタチオのブリュレとフランボワーズジャムをフランボワーズのムースで包む。口の中で、甘酸っぱさと、ピスタチオのコクが見事なハーモニーを奏でる。また抹茶のほろ苦さと、カシスの濃厚な酸味が絶妙に重なりあう「カシステベール」もファンが多い。

Posted in back number, No.36 | Comments Closed

2019-05-14
逃したくない、お気に入りに出合える

チュージー03

choosy チュージー

「ものがたりを着る」をコンセプトに、状態のよいセレクト古着やハンドメイド小物、アート作品などを販売する、人気ショップ「choosy」が、移転オープン。静鉄古庄駅から歩いて数分のところにあるルーテル静岡教会敷地内に建つ、幼稚園跡に新たな店舗を構えた。木漏れ日が柔らかな園庭に、小鳥がさえずり、まさに物語に登場しそうな雰囲気。懐かしさの残る園舎には、オーナーが厳選したアメリカ、ヨーロッパのレトロかわいい洋服やバッグ、シューズ、アクセサリーなどが並ぶ。個性的なレトロワンピース、風合いのあるリネンやコットン素材のアイテムなど、日々のファッションと組み合わせやすく、価格設定もリーズナブル。古着に馴染みがない人でも、前職がアパレルのオーナーがアドバイスしてくれるから安心。

 

Posted in back number, No.36 | Comments Closed

2019-05-14
爪に合わせたケアで、若見えの指先に

チアネイル01

Cheer nail チアーネイル

毎日を頑張る大人女性の気分を上げてくれる「チアーネイル」。年齢の出やすい指先、爪先は、時間をかけ丁寧に、爪質、状態に合わせたケアとオフを行う。ジェルも爪に負担の少ないパラジェルを使用。地爪を削らず、剥がれにくく、持ちも良いとあって、通うごとに地爪が健康な状態に。デザインは、技術の高さが要求される、上品なオフィスネイルを得意としている。春から夏にかけては、繊細な花模様が映えるヌーディなピンクベージュ(アート4本8,100円)や、シェルやラメをあしらったモーブカラー(アート2本+ラメ 7,330円)が、爪先に彩りを添えてくれそう。「長く通えるサロンを見つけたい」「初めてジェルネイルに挑戦する」という人は、安心して任せられるネイリストが揃う、このサロンへ。

 

Posted in back number, No.36 | Comments Closed

2019-05-14
バスク地方で愛される、素朴なスイーツ

ゴシュア01

パステリア ゴシュア

ピレネー山脈の走るフランスとスペインの国境に位置し、海と山に恵まれた食の都「バスク」。この地方で生まれたスイーツの専門店が、静岡両替町に誕生。バスク語で、やさしい、やわらかい、甘いなどの意味を持つ「ゴシュア」。注目メニューは、今話題を呼んでいる「バスクチーズケーキ」。バスクチーズケーキの生みの親、老舗バル「La Vina(ラ・ビーニャ)」のサンティアゴ リベラ氏から直接伝授されたレシピを再現している。コクのあるデンマーク産クリームチーズをたっぷりと使い、表面に濃い焼き目が付くまでじっくりと焼く。濃厚でずっしりとした甘さと、ほろ苦さが特徴。実は、「ゴシュア」の姉妹店であるバスク料理店「Las Tapas(ラス タパス)」では、既に12年前から提供しており、顧客の間で人気を集めている。サイズは2種類、15㎝3300円、9㎝630円。このほか、上質なアーモンドパウダーで作るマカロンの原型と伝わる「バスクマカロン」、店名になったカスタードケーキ「ゴシュア」、ダークチェリーの入った厚みのあるアーモンドクッキー「ガトーバスク」など、素朴な伝統菓子を紹介していく。長年バスク地方のシェフたちと交流を深め、本場の技法、味、空気を知り尽くした職人が作る、本物のバスクスイーツをご賞味あれ。

Posted in back number, No.36 | Comments Closed