back number, No.23

2017-03-23
蔵で味わう 小粋な創作料理

クラヤカトウ12

クラヤカトウ

用宗街道から細い路地へ入ると、その建物は現れる。漆喰壁の重厚な外観、深い軒、時間を刻んだものだけに許される本物の風格。元々は、鰹節貯蔵用の蔵として昭和5年に建てられたものを、リノベーションし、レストランとして再生された。

蔵のもつ粛然とした雰囲気をいかし改装された室内では、オーナーシェフの嘉藤淳さんが腕を振るう。イタリアンをはじめ、フレンチ、和食を研鑚した経験から、ジャンルごとの伝統や技法を取り入れつつ、遊び心を加えた料理に仕上げる。

日替わりのランチコースは、3,240円、4,320円、5,400円を用意。ディナーは4,860円、6,480円があり、記念日を過ごす家族やカップルに人気。いずれのコースも、嘉藤さんのアイデアと技術が楽しめる構成となっている。これからの季節は、芽吹きのパワーを感じる春野菜が多く登場する。例えば、塩味のパンナコッタ。ビシソワーズのようなクリーミーなパンナコッタの上に、グリーンが色鮮やかな菜の花のソースと、たっぷりのカニの身がのる。菜の花のほんのりとした辛みと、爽やかな香りが、季節感のあるアクセント。食材の表情を多彩に引き出す技術で、食べ手に驚きと幸福を与えてくれるレストランだ。

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