back number, No.27

2017-11-11
百花騒鳴

百花騒鳴

26. 浄化

この一年は、私にとっては、人生のデトックスというようなハプニングが満載であった。中でも、友人の間で伝説となっている事件がある。プロローグは箱根で。母の誕生日を祝うため訪れていたオーベルジュを、上機嫌で出発しようとした時、愛車がうんともすんとも言わなくなった。この日は自走が無理ということで、我々はタクシーとレンタカーを乗り継ぎ帰宅。愛車はディーラーに入院となった。原因はバッテリーの寿命が尽きたということ。痛い出費となった。それから1週間、ランプ切れを知らせるアラームが…。2週続くと、少し苛立ち始めた。ディーラーの担当さんに、「この際、隅々チェックお願いします!」と伝え、ランプ交換を依頼。

そして、その5日後にビッグウェーブがやってきた。スーパーの駐車場から帰ろうと、エンジンを掛けたとき、見たこともない数のアラームが運転席の液晶を埋め尽くした。ピコピコビービー言っている。

「何コレ~?」

自宅の駐車場についた私は、ディーラーに連絡。この前見てもらったばかりなのに~とブーブー文句。電話口の担当さんは、「Sさん、ボンネット開けてもらえますか?」と言う。言われるまま、車を降りフロントに回った。そして…腰を抜かした。なんとフロント部分は大破。中身が出ちゃっていたのである。すぐには状況が呑み込めず、クラクラッ。気力を振り絞り、愛車を励ましながら、何とか自走でスーパーに戻った。そこで、慌てて駆け寄ってくるご婦人がいた。駐車中の私の車に、誤って衝突してしまったらしい。なんと、それに気づかずに、私は大破の愛車に乗り、帰宅してしまったというわけだ。なぜ、気付かなかったのか…私も、誰もが抱いた疑問である。それから色々あり、今では車種も色も全く変わらない新車に乗っている。新旧入れ替えの浄化であったと思う。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

もう年末号でございます。来年も皆さまにとって、良い年でありますよう、心よりお祈り申し上げます。今年も一年、百花壇をご愛読頂きましてありがとうございました。

来る年も、笑顔でお目にかかりましょう。  百花壇スタッフ一同

 

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