back number, No.24
2017-05-17
百花騒鳴
23 、雷雨
5月も大型連休を過ぎると、初夏の雰囲気と梅雨の到来を感じさせるようになる。雨が長く続くと鬱陶しいが、情緒的で一年の中で最も色気のある季節だと思っている。しとしと降る雨に、紫陽花の葉が濡れているのを見ると、「癒し」を感じるものである。
一方で、誤解を恐れずに言えば、空を真っ黒に多い激しく閃光が走る雷雨も好きである。いや、むしろ、こちらの方が好みである。稲妻が見える度に、ゴロゴロと音を聞く毎に、胸が高鳴る。思わず「ヒャッホー」と叫んでしまう。今回取材先でも、急に天気雨が降り出し、雷鳴轟く瞬間があった。やはり、テンションが上がってしまった。もう、いい大人なのに…
この同時刻に、同じようにテンションを上げていた人物がいた。私の娘である。
「この前、雷が凄かった時あったでしょ。庭に出て、踊っちゃった~」
と、楽しそうに彼女が話す。
「それって、もしかしてあの日の夕方?」
なんと、私が取材先の雷雨にテンションを上げている頃、娘は庭に出て同じ雷雨の中で、楽しさのあまり踊ってしまったというのだ。親子して、雷雨に興じていたとは。かなり恥ずかしい。そして遺伝子は、こんな好みまで転写してしまうのだろうか?と畏怖を感じた。娘よ、この嗜好は、きっと孫にまで受け継がれることになるであろうよ…
今回も最後までお読み頂きましてありがとうございます。
百花壇が、皆さまにとっての「癒し」アイテムになれますよう、さらに精進して参ります。
次号、盛夏のお便りをお届けします。